ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

孤ならず隣あり

こんなニュースを見た。

reseed.resemom.jp

全国の私立高校、専修大学北上高等学校(岩手県)、星の杜中学校・高等学校(栃木県)、ドルトン東京学園中等部・高等部(東京都)、三浦学苑高等学校(神奈川県)、御殿場西高等学校(静岡県)、名古屋経済大学市邨中学校・高等学校(愛知県)、英数学館中・高等学校(広島県)、土佐塾中学・高等学校(高知県)の8校は「High School Consortium(ハイスクールコンソーシアム)」を立ち上げた。

https://reseed.resemom.jp/article/2023/09/20/7246.htmlより。2023/09/21確認)

私立に勤務しているからこそ思うけど、この取り組みはすごい。

内向きを破ることのハードル

私学は学校の色によっても事情は随分と変わるので、一概に「こういうものだ」ということもできないのだが、自分の肌感覚として思うことはある。

それは「人の流動性がないことで内向きなる」という傾向はありそうだ、ということである。

基本的に、専任教諭であれば定年までその学校で雇われる。そのため、十年、二十年、同じ学校でしか働いたことがない人は多くいるし(気付けば自分も同じ学校に十年以上いるわけだしね…)、他の学校の先生とのコネクションを一切持たない人もいる。

そういう環境だと、どうしても「内部」だけでやっていれば、明日の仕事は困らない。

困らないから、今のままで……ということが永遠に続くのである。

それは良くいえば安定だが、悪く言えば停滞である。停滞よりも悪く言えば、淀みである。

そういう凝り固まった状況では、なかなか他所の学校と協力して何か新しいことをやろうという発想は出てこないのである。

人が行き交うだけでも意味がある

この取り組みは、私学の中にいるからこそ心の底からすごいと思うし、羨ましいと思う。それだけ、他の学校の人と授業のことや教育のことを意見交換するチャンスは少ない。自分から相当にコストをかけないと外でコネクションを作ることは難しい。

こういう仕組みで、学校丸ごと色々な先生方が行き交うようになるのは、とてつもない可能性を秘めているように思う。

将来的には授業や生徒も行き交うようになるのであれば、思いも寄らないような刺激が生まれるのではないか。そこから生まれる新しい力を見てみたい。

もうちょっと厳しいことを見据えて考えてみるのであれば、私学の生存戦略の側面もあるのだろうと思う。生徒募集には直接的には役には立たなくても、学校の根幹である教員や教育コンテンツの体力を鍛える。未来に向けての分の良い投資だと思う。

こういう挑戦から、何が生まれるかは楽しみです。

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