よく考えると二学期に入って連休なのは初めてではないか…?
休みを活かして体のメンテナンスをしつつ、午後からはGoogleのオンラインセミナーに参加していました。
プログラム内容
13:00 - 13:10 開会 / Google for Education のご紹介
13:10 - 13:40 鳥取県の導入事例紹介
鳥取県教育センター GIGA スクール推進課 課長 横山 順一 氏
鳥取県立倉吉東高等学校 教諭(理科) 浪花 健一 氏
13:40 - 14:00 埼玉県立越谷南高等学校 事例紹介
埼玉県立越谷南高等学校 教頭 加藤 悟 氏
埼玉県立越谷南高等学校 教諭(英語) 高橋 幸次郎 氏
14:00 - 14:20 三重県立名張青峰高等学校 事例紹介
三重県立名張青峰高等学校 グローバル・ ICT 教育部 教諭(情報) 向山 明佳 氏
14:20 - 14:30 Q&A セッション
14:30 - 14:35 閉会
今日のセミナーのテーマが「高校向け」で「BYAD での 1 人 1 台導入」ということで、勤務校とも同じ状況になるので気になっているテーマなので、長丁場ですがYouTubeで視聴していました。
GIGAを経験して入学する生徒
GIGAスクール構想での予算措置は、小学校と中学校が対象である。裏を返せば、高校についてはこれからの議論なのだが、今年全ての学校でGIGA端末が行き渡ったことを踏まえると、「一人一台」という学びを経験した生徒が来年の春には高校に入学してくる。
新学習指導要領で情報が重視されることもあって、一人一台端末の重要性は高くなっているのだけど、「どうやって導入すれば良いのか」という議論は、GIGAスクール構想の盛り上がりに対すると、非常に下火な印象がある。
このGIGAの時代においても、「でも、高校の授業ではICTは役に立たない」「デジタル教科書ができなきゃ使えない」などと、他人事の様子をよく目にすることが多く……。
とはいえ、コロナ禍の影響でオンライン授業を強制されている場合も多く、一人一台端末があれば、オンライン授業も少しは困らないだろう…くらいには思う人は増えているとは思う。
ただ、個人的にはICT端末はオンライン授業のため、非常時のためのバックアップでもないし、デジタル教材があろうとなかろうと今の生徒に必要な学力を考えていくときに避けては通れないツールであると思っている。
使わなければ上達しないし、使わないでいることが不作為だと感じられるような状況だろうとは思っている。
高校に導入するハードル
以前から、高校での端末導入については生徒個人の端末を学校に持ち込む、BYOD方式での実験を行われていたような印象があるけど、主流になっていく話をあまり聞かないことから考えると、色々とハードルが高かったのかもしれない。
実際に、生徒の個人の端末の利用を期待して、BYOD方式で学校内の色々な場面で利用をしようとすると、様々なトラブルが起こる。
今回のセミナーで多くの登壇者も言及していたことであるが、生徒の持っている個人端末の設定が多種多様であるため、何かトラブルが起きても一教員が対応することが難しいということやセキュリティを確保するための手続きをしようとすると個人の端末の情報を集めて管理するなど、無限に手間が増えていくことになるのである。
ICT関係の保守管理に多くの人員を割くことが出来るのであれば、BYODは成り立つのだと思うが、全国の学校が一気に端末導入に動こうとする状況では、仮に予算があっても人員を配置すること自体が難しいだろう。
自分の勤務校もそうなのであるが、私学である程度先取りで一人一台端末を実施している学校では、3年間のリース契約かBYAD(つまり、指定機種の一括購入)であることが多い。
だからこそ、今回のこのセミナーでBYAD方式での端末導入のポイントについての情報共有がされるのは、非常に価値があることだと感じる。
YouTubeの再生数が19:00の時点で200回くらいなのは非常に勿体ない……。
内容としてはとてもシェアしたい動画なのですが、勝手にシェアするわけにも行かず、もどかしい。
セミナーの要点
動画をシェアすることも出来ないので、セミナーで登壇していたBYADで導入している学校の意見を簡単に紹介しよう。
どの登壇者も口を揃えて行っていたことが、「使わないと使えるようにならない」ということである。
文字にすると当たり前なのだが、学校のICTの課題はまさにここにある。
ICTを使おうとすると色々な障壁やトラブルがあるので、「わざわざ使わなくていい」という意見が非常に根強いのだ。
しかし、その意見に引きずられていると、いつまで経っても使えるようにならないという現実がある。
だからこそ、今回のセミナーでの事例では、多くの学校ができるだけハードルを下げて使おう!ということを強調していたように見える。
たとえば、授業でいきなり全てを使おうとするのではなく、毎日、使うハードルの低いClassroomのようなアプリを継続的に使うことからはじめてみましょうということや、教員同士で教え合いをしたり教材を共有し合ったりすることからはじめてみましょうというようなことが提案されている。
勤務校も、一応、一人一台端末を導入しているが、まさにこれらの指摘の通りなのである。
授業で使わなくても、生徒に連絡を流したり、カレンダーで教室予約を使ったりしていると、だんだんと慣れていくものである。
また、使用頻度を増やすためにはルールで縛り付けることの難しさに触れる登壇者も多かった印象である。MDMなどある程度、安全を担保するための工夫や縛りは必要ではあるが、生徒を信じて任せる部分がないと使う機会が増やせないというのである。
導入した学校の実感として重要な指摘だろう。
GIGAスクール構想での端末導入で、縛り付けて死蔵化することでICTをなかったことにする学校の話が聞こえてくるが……本気で活用するなら、安全に任せる必要があるのである。
デジタル・シティズンシップ教育ですね。
実際にやってみるというメンタルはとても重要なのだ。その「やってみる」ということに対して非常に保守的なのが高校という風土だよなぁ……などと思いつつ、来年の四月からそれぞれの学校がどういう対応をするか楽しみなところです。
なお、GEGについても紹介されていました。
少しでも実践したい!という人が孤立することがないように……ぜひ、こういう教員同士の繋がりを大切にしたいところですね。