短歌の創作。大詰めの推敲についての授業。
創作自体の指導が上手くできていないのは今後の課題だが、罪滅ぼしに推敲の様子を見せてみたいなぁと思ったのである。
はじめはプロの推敲を…
イマイチ、やはりちゃんと自分が短歌の創作について誰かに師事して学んだことがないので、自信が持てないために、生徒に分かりやすい推敲の例も、プロの作品から持ってくるようにしていた。
穴埋め短歌は、言葉をあれこれと選ぶ過程で推敲のような思考を体験してもらい、一語で短歌のイメージが変化することを体験してもらっている。プロの作品の言葉は「それしかない!」と短歌のイメージが固まる言葉なのだということを感じて欲しかったのである。
さらに、推敲の例としては
この本に相当数の推敲例が載っている上に、生徒にも分かりやすい例も多いので、読んでもらい推敲を楽しんでもらえればいいかなあと思ったのだが……。
肝心なところとして、「推敲の過程」は見えてこない。推敲前と後で飛躍があるので、その飛躍を埋めるような思考が生徒に上手く伝わらない。
あぁ……もしかしたら、こっちの一部を抜粋して読ませたほうがよかったのかも。
俵万智さんの分かりやすい解説とともに、一青窈さんの短歌がみるみる仕上がっていくので、「作り方」という点では……読んでもらえばよかった。
でも、本質的には「興味がない」ものであるし、レベルの差が大きすぎて理解しにくい。もっと手前で共感しやすい例が欲しい。
自分の作品を見せる
そういうわけで、もう手っ取り早く自分の創作の過程を見せるべきだなと思ったのです。
何度も、自分の作品を見せるべきだと思っていたが、つい忘れがちになっている。
一年前に、こんな記事を書いているのに……。
ハッティの指摘は重いですよね。
教育の効果: メタ分析による学力に影響を与える要因の効果の可視化
- 作者: ジョンハッティ,John Hattie,山森光陽
- 出版社/メーカー: 図書文化社
- 発売日: 2018/02/20
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そんなわけで、こんなこともあろうかとためておいた自分の作品をひっぱりだしてきて推敲の過程や悩んでいるプロセスを実際に生徒に見せてみた。
自分の作品を見せびらかすことが、なんだか恥ずかしいし、一歩間違えると生徒にどや顔しているように思われるのであるが、実際に「こういうところが上手く行かないんだよなぁ」とか「出来上がってもこういうところが気に入らないのよ…」とかつぶやいて見せて、なかなか大変なんだよということを生徒と共有するのである。
これがやっぱり生徒の反応がよい。よほど興味を強く持ってくれるし、実際に推敲していくことのプロセスに理解が向いてくれるような印象がある。
気軽に詠んで、あとから何度でもやり直すのが大切なのだという「あり方」を伝える意味でも、自分の推敲の様子を示すのはやっぱり大切なぁ…。
つくづく、時間が足りないのが苦しい。何度も一緒にやり直すという過程をやりたいところなのだが……もう話した後は、生徒からどのような作品が出てくるか待つしかできない。
授業が貴重だからこそ、もっと手元のことから始めたほうがいいのかもなあ。