どうも風邪を拗らせているので本日はショートバージョンで…。
そろそろAOや推薦戦線も終了したので、次年度の小論文に向けて、おススメできるやさしい参考書を紹介します。
はじめの一歩に
Twitterでもおなじみの根岸大輔先生の最新の本です。
この本の良いところは、思考のプロセスが明確に示されているところです。全然、小論文を書くということを習ってこなかった人にとっても、スタート地点を間違えることなく、きちんと勉強を進められる点に良さがあります。
また、一つ一つの例題自体が、小論文や強いては現代文の記述を書くときに必要な思考のプロセスを順番に追うことが出来るような構成になっていると感じます。もしこの本を使って勉強するときには、つまみ食いは厳禁ですね。ちゃんと一から十まで順番に味わいながら進めていくことが重要でしょう。
一冊を終わらせるのには結構時間がかかると思います。一方で読み口は軽くサクサク読めてしまうので、自分の求めるレベルに合わせて使ってもよいのでしょう。
ゼロから一か月では厳しくても
二冊目は神崎メソッドで有名な神崎史彦先生の一冊。
KADOKAWAの参考書は軽くてポップなイメージのものが多いのですが、中身が意外と骨太だったりします。これも怪しげなタイトルをしていますが、内容としてはかなりしっかりとしています。なお、一か月で読みこなすことができれば、一か月で合格できるという意味のタイトルのように感じますので、一か月でこれを一冊読むのはやや大変です。
というのも、これも書き方に入る前に「考え方」から論じています。
いきなり読んでその日のうちに書けるようになるものではなく、様々な手札を自分の中に増やしていく中で、小論文を自分で吟味できるようになるタイプの本です。
なお、具体的な大学名を挙げた合格答案例が見られるのも人によっては参考になるかもしれません。あくまで例なのでそのものだと思って読んではいけませんが。
もはや参考書ではない
次の本はもはや参考書ではなく、一般書ですね。一応、入試問題を取り扱い、解説していくというスタイルですが…。
参考書ではないので、いきなりこの本から読んでもちんぷんかんぷんになりますね。と、いうのも本書でゴールとして設定されていることが「ものの見方」そのものであり、自分の直感だけでは語りえないところまで語ること、書かれていないけど書かれていることを語るということなので、非常に手間がかかる一冊です。
分かりやすく言うのであれば、「小論文を出題する意図」を解き明かすような本である。まさに、タイトルの通りである。
やさしい本
以上の三冊は、「やさしい」本を選んでみました。
この「やさしい」はここまで読んでもらえばよく分かる通り「易しい」ではありません。
しかしながら、読者を安易にわかったつもり、できたつもりにさせるのではなくて、きちんと「考える」「吟味する」ということまで、注意深く目を配っている本なので、このような本は「優しい」本であると言ってよいでしょう。
だから、「次年度に向けて」という三冊なのです。今年の入試に使うにはちょっともう厳しい。今年の入試対策は、信頼できる大人に頼み込んで二人三脚で要領を教えてもらうことをお勧めします。