ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

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志望理由書などについてあれこれ

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そろそろ志望理由書の時期だなぁと校内の様子を見ていて思う。世の中の志望理由書やAO対策の塾がピンからキリまであって、中にはてにをはすらまともに直してくれない塾があるのを見ていると、ちゃんと心配かけないで校内で面倒を見ないとなぁ…と思ったりもする。怪しい塾とそうでないちゃんとしている塾を見分けるくらいの自力は最低でもつけてあげたいところだ。

なかなかマニュアル化は難しいが

志望理由書や小論文の指導のマニュアル化はなかなか難しいものがある。それなりに色々な参考書を買って、教員も勉強していくしかないだろうと思っているが、そんな中、非常にありがたい資料が、

www.seigakuin.jp

聖学院大学のこの冊子。

なんと期間限定で、一部分をPDFで閲覧も可能である。

www.seigakuin.jp

※残念ながら志望理由書の部分はPDFでは無理。

このマニュアルが非常によく出来ており、暗中模索、教師の3K(勘、経験、気分)で指導している場合には、非常に端的で役に立つ。

比較的、きっちりと「志望理由書」とは何かということまで書き込んでくれているので、ただの「自分のやりたいことの決意表明」とは違う書き方まで指導できるだろうという点がポイント。

似たようなテイストの参考書としては

これ良いですね。この通りに書けるか…という問題は大きいが、指導する側がここまでメタ的に志望理由書を理解して、指導の観点として持っておくことは非常に有効だろう。

金太郎飴にならないためには

ある塾やある参考書では、「高校性が背伸びをするな。当たり障りのないことを書け」ということを指導するらしい。

しかし、そういう志望理由書は、結局のところ、金太郎飴にしかならない。同じような高校性の最大公約数の体験を、型に当てはめて書くのだから当然である。もちろん、それとは逆に出来もしないことを根拠無く空虚に主張するのも、もちろん、良くない。

志望理由書の指導でもっとも重要なことは、一人一人の生徒の持っている体験を引き出すことに尽きる。合格した後に生徒の出した志望理由書を読み直していると、漢字のミスが合ったり日本語が変だったりすることもままある…(あったら本当は困る)。

しかし、それでも内容で、「その子にしか書けない」「会って話をしてみたい」というような熱意があれば、きちんと評価はされるのだという印象である。

自分の言葉になるかどうかは、自分の中にあることで書いているかと言うことに尽きる。その言葉をなかなか日常生活だけでは引き出すことが難しいから、こういう機会に面談をしながら生徒から引き出すしかないのである。

大学で学ぶことに前向きな気持ちになれるような、志望理由書の作成の過程であってほしいものだ。

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