ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

縄張り争いではないけど

ソースは特には無いけど、独り言のような最近、探究学習に関して思うこと。

 

 

学校が困っているのも分かるけど…

当事者の一人として、学校に与えられた「総合的な探究の時間」が教員にとって「どうしたらいいの?」という大変さがあるというのはよく分かっている。

自分の仕事としても探究の準備に投資している時間は決して小さくないのである。

教科書があれば「〇〇を参照して」と指示を出すことが出来るが、共通して参照する資料もそもそもゼロから作らなければならないので、それだけでもかなりの手間がかかっている。

そういう生徒の困り感をよく把握して、最近は学校に企業からの営業が非常に多くなっている印象がある。

教材費を支払って手間を解決できるのであれば、教材費を払ってしまおうというニーズと何とか収入源を増やしたい企業と微妙に思惑が一致するのである。

ちょっとしたモヤモヤ

企業が学校に教材を提供してくることや企業と協力して教育を進めていくことは、学校のリソースを広げるという意味でも決して悪いことではない。

企業によってはかなりの時間と手間を割いて、学校の先生に聞き取りを丁寧に行ったり大学の専門家に意見を聞いたりすることで、自分のオリジナルの教材を見事に作っている会社も少なからずある。

STEAMライブラリーも教育産業以外の企業が多く教材を提供しているが、驚くべきほど質が高いものも少なからずある。

www.steam-library.go.jp

しかし、一方で「これはあまりにお粗末じゃないの?」というようなものを出してくる業者も少なからずある(上記のSTEAMライブラリーについても「これは使い物にならんよ」というものがないわけではない)。

一番、酷いタイプだと市販されている本をつまみ食いしたようなものがある。また、そこまで酷くないとしても、自分たちのノウハウを前面に押し出して「子どもたちに教える」ということを理解できていないようなものもある。

辛辣に言えば、「子どもの成長を願う気は無くて、学校ならすぐに説き伏せられる」という侮りの姿勢が見え隠れるする場合はあるのだ。

企業の看板の名前でなんとなく良いものだと納得させるようになものを出してくる……まあ、好ましいとは思わない。

その意味だと、ベネッセは学校のニーズはよく把握しているし、教材づくりについては子どもたちが作業して手応えを得て、少しなりとも成長につながるような教材にはなっている。高級料亭の料理にはならないけど、コンビニ弁当くらいの手軽さで腹は膨れるという印象だ。

プライドを持って使い倒す

企業から持ち込まれる提案が全て悪いわけではない。ただ、何も考えずに、手間を減らしたいためだけに、適当な教材を投げ込むと、生徒にとってはジャンクフードのような探究を食わされることになる。

そんな虚しい話はない。

学校に持ち込まれるものについて、教える側の教員が責任を持って「これは必要」「これはいらない」と子どもたちの視点から選べばよいのである。

どの教材がどのいう意味づけになるかは学校と文脈に依る。だからこそ、ここでも「この教材はなぁ…」という具体名を挙げることはしなかった。

自分たちの鑑識眼で、ちゃんとしたものを選べるようになりたいものである。

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