ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

ICTを活用した授業をどうやって始めようか

ICTを活用した授業にむけて

 最近、とみに「ICT(Information and Communication Technology)教育」が言われるようになって、自分の勤務校でもいよいよ本腰をいれて考えなければならない状況になりつつある。世の中のICTへのニーズもあって、ベネッセの「Classi」などを初めとした様々な企業のサービスが生まれつつある。ただ、個人的にはそのようなパッケージされたサービスは、授業作りのメインにはならないと思っている。だから、授業にどのようにICTを活用しようかという観点で今のところの考えを書いてみたい。

 校内での実践の共有の必要性

自分の勤務校でも、数は少ないながらも、生徒が使えるパソコン・タブレットがあり、それを使って試しに授業してみたことがある。また、一生懸命、今ある設備を使って授業の工夫をしている先生もいる。ICT教育と大々的に銘打っていえるものではないけど、例えば、次のようなことをやっている。 

  • PowerPointによって視聴覚的な授業の実践(タイマーやアニメーションの利用)
  • パソコンを活用して本の帯などの作品を作成する。
  • タブレットを用いて、情報収集を行い、自分の意見を練る。
  • 写真撮影などを行って、資料収集に役立てる。
  • 動画撮影を行って、プレゼンテーションのリハーサルを行う 

Wi-Fi環境もなく、タブレットやパソコンの台数に限定がある現状においては、グループワークでの利用や教員による一斉授業で視覚的に興味を引くための利用が行われていという状況。
自分も実際にタブレットを用いて授業を行ったことはあるけど、やれることの自由度が低いために、その効果は限定的だなぁという感触。


また、一方で、ICTを活用した授業を実践しているにも関わらず、教員相互で授業研究や情報の共有がされていないということも問題だなぁと感じている。
どうしてもICTはICT機器を活用する技術が必要になるから、苦手な人は及び腰になってしまうし、「今のままでもうまくやっているのに手間を増やさなくても…」となりがちだ。
せっかく、上手に活用している先生がいる一方で、その先生の工夫が共有されていかないのはもったいないなあという印象。

 ICT教育の情報の収集が必要?

校内のICT環境が限定的であるため、ICT環境の導入後のイメージを持ちにくいことも教員の腰の重さにも繋がっている可能性があるよなあと感じる。イメージの湧かないものを突然授業でやりたいとは思わないだろうし。

地道に事例を集めた図書を読んでいくことも必要。

 

 

だけど、一方で手軽に確認のできるウェブサイトの紹介などを気軽に読んでもらうことも必要なんだろう。

 色々な事例を見てみると気づくことだけど、「授業のすべてについてタブレットを使わなければならない」というイメージは大きな誤解。でも、いろいろな人に話を聞くと「やるなら授業のすべてについてタブレット」というイメージの人は少なくないように感じる。

でも、実例を見てみると「使いやすい場面で、必要に応じて活用する」というイメージの方が実践が上手くいっているようだ。まあ、必要なことはやる、必要なことはやらないという授業づくりの基本に戻るといいますか…。
そういえば、「一人一台」タブレットを持たせている千葉大学教育学部附属中学校での今年二月のICT研究会の発表では「学習用具の一つ」としてタブレットを位置付けて活用することで効果が上がるのではないかという話があったのは、そういう「使いやすい場面で使う」という発想の例と言えそう。

どうしても「未知のモノ」なので、使用することに及び腰になるだけに、もっと気楽に「文房具」のように使うという発想は大切なのかもしれない。

2.今後の課題に関して

教員がICTに対して及び腰であるのは、ICTについて理解が不足しているという点もあるのではないかと思われる。そのため、ICTについての疑問を集めて、それに対するFAQを作成することで、抵抗感を下げることも必要なのかなぁと思っている。

なかなか簡単な仕事ではないし、慣れない人に慣れないものを分かるように説明するのは難しいけど、「日常的に使える」という状況を作るためには必要なことだろうなぁと思う。

さらに言えば、校則などの整備についても考えないといけない。
スマートフォンの使用を親の仇のように禁止したがり、授業で使用させることにいい顔をしない人も少なくない。もちろん、著作権のことや情報の信憑性の検証など教えるべきことは多いし、授業外でゲームなどばかりして遊んでしまうのも問題がないとは言えない。
それでも、タブレットを生徒に「学習用具」として与えるのであれば、ある程度の自由は与えなければだめだろうなと思う。ほかの学習用具を授業以外で取り上げたり、使い方を制限したりしないのと同じだろう。

ゲームをしたりネットばかりするのは問題に見えるかもしれないが、一方で、機械の操作の習熟などのためには、それなりに意味があることだろうし、教員の目の届く場所で「失敗」してもらってこそ、指導の可能性が生まれるとも思う。

いずれにしても、まだまだ考えることは多いし、教員の対応の差が課題かなぁ…。

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