ライティングワークショップを初めて一週間ほど経ちました。
題材探しに四苦八苦していながらも楽しんで生徒は授業に取り組んでいるようですが…
ライティングワークショップなのに「書き始めない」
今回は題材探しがかなりの負担が掛かるものであるので、書き始めるまでにタイムラグがでることは想定内でした。むしろ、自分の手近な話題だけで済ませて、図書室の資料を十分に活用することなく、適当に済ませてしまうことのほうがよくないよなぁと思っていたので、生徒が一生懸命になって頭を悩ませて本を読んで、題材を探している様子は想定通りかつ想像以上にいい学びになっているという感じはあります。
ただ、その一方でそろそろ気になり始めているのが「資料は読む。されど執筆は進まず」といういわゆるタレーラン現象*1に陥っている。
つまり、読むことをしっかりとやっているように見えるのだけれども、一方で、「書けない」「書きたくない」の代償的な行為として、漫然と本を読んでいる様子も見られるようになってきた。
やっぱり、頭の中で企画を練って、好きな本を読んでいることは気分がよくても、実際に自分の言葉を書いていくという段になると、負担が重く感じるせいか、なかなか執筆に入れないようだ。
何を書いたらいいかわからない?
今回、生徒に課しているものは生徒には、なじみが少なくて負担が重いものであることは間違いない。また、生徒には「自由に題材を決めて、自分の考えを面白く伝えるために書く」という経験がない。つまらない…と言っては天に唾だけど、行事作文や読書感想文や初発の感想だとか型の決まったような「薄めて薄めて量を稼ぐ」という作文になれてしまっているせいか、ゼロから好きなように、好きなだけ論じよという課題がかなり重いようだ。
もちろん、手をこまねいて、放置しているわけではない。例えば、次の本でミニ・レッスンやカンファレンスとして紹介されているようなことは試している。
作家の時間―「書く」ことが好きになる教え方・学び方(実践編) (シリーズ・ワークショップで学ぶ)
- 作者: プロジェクトワークショップ
- 出版社/メーカー: 新評論
- 発売日: 2008/04
- メディア: 単行本
- 購入: 7人 クリック: 58回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
また、自分の取材の方法や生徒に配布している資料の下書きなどを、つまり自分の作家ノートに当たるようなものを見せることで、題材の探し方や書くための足掛かりを示すようにしている。
しかし、それでもなかなか手は進まないようで、資料を読むことで時間をやり過ごし、自分に催促されることを回避しているように見える。
自分の方としても「自立した書き手を育てる」という大きな狙いを持っている以上、あまり催促はしたくないだけに、じっと働きかけながらも待っている状態である。
避けたいことは時間切れ
今回のライティングワークショップは、本校のカリキュラムからすれば相当な無理をして絞り出して、かなりの時間数を使っている。それだけに、せっかく授業の中でいろいろと試行錯誤できる時間があるだけに、書くことが進まずに、結局、宿題として駆け込み乗車のように一発本番の作文が提出されることだけは避けたい。
でも、だからといって、生徒を急かして無理矢理に書くことをさせるのも、筋が悪いように感じる。
本当は、もう少し、自分たちで進捗の管理を考えてもらえるといいのだけど……ちょっと、このあたりの感覚は見せないとダメかな。
また、やっぱり根本的に一単元で散発にワークショップをやることに無茶があった感じは改めて感じる。…仕方ないといってはいけないのだけど、ちょっとこの辺りは自分の仕事としては数年がかりで学校のカリキュラムを整理するなどが必要なだけに、今すぐには手が出せない。
無茶をさせたけれども、それだけに、何かしらの手ごたえのある結果をつかませてあげたい。ちょっと、考えどころかな。
*1:冗談である。こんな用語はない。