ライティング・ワークショップの振り返りを一旦休憩して今年の振り返り。
色々な本を読んできたけど、とりあえず印象に残っているものをいくつか紹介しておこう。
教育関係
どうしても授業を考える都合で教育関係の書籍は多くなる。
教育一般
今年は世の中の流れとしてどうしても「アクティブ・ラーニング」関連を多く読むことになった。
高等学校におけるアクティブラーニング 理論編 (アクティブラーニング・シリーズ)
- 作者: 溝上慎一
- 出版社/メーカー: 東信堂
- 発売日: 2016/03
- メディア: 単行本
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三月に発売になったこのシリーズは、授業をアクティブラーニング型に切り替えていこうとするなら必読だろうと思う。このブログでも何度も紹介したが、やはり理論に基づいて実践を展開していくことで陥りがちなミスを回避できると感じる。
夏の「審議のまとめ」くらいまでの議論であればこの一冊でだいたいさらえる。話が大規模なだけに、コンパクトにまとめているハンドブック的な使い方をするのがいいかと思う。
今年のナンバーワンと個人的に思っているのがこの一冊。詳しくは以下の記事で書いたので読んでもらいたい。
なお、今年の発売ではないが、定期的に読み返すのが、上の本の著者の一人であるリヒテルズ直子さんが邦訳をしている以下の本。
学習する学校――子ども・教員・親・地域で未来の学びを創造する
- 作者: ピーター M センゲ,ネルダキャンブロン=マッケイブ,ティモシールカス,ブライアンスミス,ジャニスダットン,アートクライナー,リヒテルズ直子
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2014/01/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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学校をどのようにしていかなければいけないのか、自分にできることは何かということを考えるときの道しるべ的な一冊。500ページを超える大著だけにまだまだ消化不良気味。今後、この教育改革の流れにあわせて注目されてくるのではないかと思っている。
国語教育
自分の専門は一応、国語教育なので…。
以前に辛口に切って捨てたけど、従来型の授業から変えていくときには参考になるだろうし、現状の枠組みや定番教材で新しいことをやるのであれば参考になるんじゃないかと思う。羊頭狗肉な感じであるのは否めないけど。
今年は比較的「書くこと」にこだわって授業をやってきたが、その時に非常に参考になったのがこの本。ちゃんと通読したというよりも必要な分野のことを必要なだけ読んでいるという感じ。
アクティブ・ラーニングを取り入れた授業づくり: 高校国語の授業改革
- 作者: 高木展郎,大滝一登
- 出版社/メーカー: 明治書院
- 発売日: 2016/01/28
- メディア: 単行本
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このあたりになると今年なのか去年なのか怪しい感じだけど(笑)理屈から授業の組み立てがされているから、真似をしたりアレンジしたりして授業に取り入れやすい。やっぱり高校の実践報告って数が多くないから、実践報告を見られるだけでも価値はある。
The Reading Zone: How to Help Kids Become Passionate, Skilled, Habitual, Critical Readers
- 作者: Nancie Atwell,Ann Atwell Merkel
- 出版社/メーカー: Scholastic Prof Book Div
- 発売日: 2016/11/16
- メディア: ペーパーバック
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まだ読み終わってません、はい……。しかし、とにかくエネルギーがすごい。独立した読み手に育てていくことの意義がわかる。
大切なことをするために、無駄なことをしている時間はないなぁ……という印象をぼんやりと抱きながら読んでいるところ。
一般書籍
あまり多く読んでいるわけでないし、恥ずかしいからあまり書かないけど。
子どもの頃から哲学者 ~世界一おもしろい、哲学を使った「絶望からの脱出」!
- 作者: 苫野一徳
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2016/05/25
- メディア: 単行本
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とにかく面白い。詳しくは以下のレビューを見てください。
個人的に米澤穂信は好きなので、古典部シリーズの新刊が出たのは満足です。
今年を振り返って
毎年、反省をしているけど中高生向けの作品をあまり読んでいない(ライトノベルを除く)。本格的にリーディングワークショップをやっていこうと思うのであれば、ちゃんと高校生向けの本を読んでいく必要はあるように思っている。
今年の教育書を見ると、比較的、高校段階の実践報告が多かったようにも思う。もちろん、絶対数だけ見れば小学校が圧倒的だけど。それでも高校向けの実践書が増えたのはちょっと流れが変わった?という印象はある。
来年一年でまた大きく潮流が変わりそうなだけに、目先の仕事を追いかけるようなことがないようにしたい。