間が空きましたが、「高校生のための手帳活用術」です。
今回は「月間カレンダー」の活用術の解説です。
勉強の全体像をつかむことが大切
なぜ、月間カレンダーが必要なのか。
それは一言でいえば「全体像を見える化して掴む必要があるから」ということです。また、徹底して言い続けたいのですが、「思い付きで勉強時間を動かすと、結果的には勉強時間は減ってしまう」という傾向があるからです。勉強時間については、とにかく機械的にこなすことが、量を増やすためのコツです。
子どもに限らず誰しも「時間の感じ方」というのは客観的な時間に比べて非常にいい加減です。例えば、定期テストのことを思い浮かべてもらえれば分かりやすい。できるだけ早くから準備をすればいいと思う人は多いけど、実際にそれを実行できる人は多くないでしょう*1。結局、「まだまだ時間があるから大丈夫だろう」という主観的な時間の捉え方が、テスト直前になって「あ…これは終わらない」という後悔に繋がっているわけです。
だから、徹底的に「自分の持ち時間を管理する」ということが手帳で行いたいことです。
まずは「こなすべき課題」を積み上げましょう
受験勉強に手帳を活用するために、最初にやるべきことは「自分がこの一年間で解かなければいけない参考書や課題」を比喩でもなんでもなく物理的に積み上げましょう。タワーにしてください(笑)
※イメージ図
まあ、上の写真は冗談ですが、難関国立大を合格するために必要な5教科7科目の問題集を積み上げると自分の身長と同じくらいにはなります*2。
身長にまで届かないとしても何となく「やらなければいけないなぁ…」と思っている量が、実は物理的にはとんでもない量だと認識してください。それが「見える化」の意味です。
持ち上げてみてもいいですし、インスタにアップして周りにアピールしてみてもいいですよ。とにかく、想像以上に量があることとその量をこなすことが大変だと実感しましょう。
目で見て確認した量を数字に直しましょう
実際に物量を目で見たり持ち上げてみたりしてヤバいなと感じたら、そのヤバさを数字で客観的に納得しましょう。自分の主観で体験した数字は、ただの無意味な数字ではなく実感の伴った数字です。実感と納得のある数字は、勉強するときのモチベーションに繋がります。サボったらやばい…とかね!
積み上げた参考書を一冊ずつ片していきますが、その時にいよいよ手帳の登場です(笑)手帳のメモのページにそれぞれの参考書のタイトルとページ数(概数でOK)をメモしていき、最後に参考書の冊数と参考書すべてのページ数の合計を出します(二週以上繰り返したいのであれば、その分だけ数字を加算しましょう)。
ここで数字を確認すると、やはりかなり大きな数字が出てくるはずです。その大きな数字が自分の頭にすべて入らないとダメだと理解しましょう。
そして、総ページ数を12で割り、一か月で進めなければいけないページ数を計算しましょう。この時は端数を切り上げて大体で掴んでおけばよいでしょう。
そして、一か月でこなさなければいけないページ数を、4月から翌年3月までの各月に「目標値」として書き込んでいきましょう。
本来は、学校行事などの関係で均等に勉強をすることは出来ないですし、休業中は逆に勉強量を増やすべきです。しかし、そういう細かい計算はあとから行うこととして、ペースメーカーとしてそれぞれの月に同じ数字を書いておくことが重要です。
重要なイベントの日の記入と日数の計算
参考書の出番はここまでです。邪魔なので片してください(笑)
一か月にこなさなければいけない参考書のページ数を把握出来たら、次にやるべきことは重要なイベントの記入とそれまでの日数の計算です。
もちろん、重要なイベントとは定期考査や模擬試験の予定日です。
試験の予定日の記入が終わったら、試験の日を0、前日を1…といった具合に試験までの日数を記入していきます。
まあ、すべての試験を逆算していると手帳が数字だらけになってしまうので、数字を記入するのは柱の試験でよいと思います(重要な模擬試験、センター試験、個別試験など)。
こうやって、「この試験まであと何日」ということが手帳を開けばすぐにわかる状況を作っておくことで、モチベーションの維持に繋がりますし、その日数によって問題集の完成度が何%くらいなのかも想像がつくわけです。
根拠のない勉強時間の変動は足を引っ張る
「勉強しても成績が上がらない…」ということはもちろんありますが、手帳の数字から自分の完成度が把握できていれば必要以上に焦る必要もなくなります。逆に望むような成績でないというのであれば、勉強量の追加を考える根拠にもなります。
いずれにしても、「何となく」成績が上がらないとか「何となく」勉強が足りていないとかいうように、根拠もなく主観的に勉強量を上下させてしまうと結果的に勉強量は減ってしまいます。
ですから、しっかりと数字で現状を把握するために、月間カレンダーを利用するとよいのです。