タイトルだけを見るととても怒られそうなのですが、よいタイトルが思いつかなかったので……。
昨日は遠出をしたので、その読書のお供に選んでみたのです。
夏休みということもあって、普段とは違う観点の読書をするのも楽しみの一つです。
高校世界史で挫折した人へ
高校で世界史を勉強し始めると、最初はだいたいヨーロッパのことであるので、何とかカタカナの長い名前にもついていけるのだけど、それがイスラム世界が現れた瞬間にまったく言葉を覚えられなくなってしまう。
そんなこともあって、イスラム世界について世界史の授業で挫折したまま、結局、その世界がどんな価値観を持って、どんなことを大切にしているのかということを理解できないままになっている人は少なくないのではないだろうか。
世界史の教科書だと「ムハンマドがアラーの啓示を受けてイスラム教を開いた」くらいの話で終わっていて、そのあとのヒジュラだとかジハードだとかの意味をまったく理解できないでごり押しの暗記で終わっている人が多いような気がする。
少し、イスラム教に興味を持ってコーランを手に取ってみようと思っても、岩波あたりの本を手に取ってしまうと……(笑)
難しいんですよ、やっぱり。なじみがないことをそのまま理解しようというのは厳しい。
楽しく読んで理解したい人へ
コーランについて色々と理解してみたいと思うけど、岩波の格調の高さは難しいという人にこそ、ぜひ本書を勧めたい。最近は漫画で読める本もある*1けど。
でも、やっぱり漫画にしてしまうと捨象されてしまうニュアンス、字ではないと伝わらないようなニュアンスがあるよなぁと思う。
そんな我儘な要望に応えてくれるのが本書である。本書のよさはコーランの解説書ではあるものの、その伝え方が阿刀田高さんの言葉にかみ砕いて書かれていることだ。
もちろん、厳密な意味ではコーランを読んだことにはならないのだろうけど、日本人の感覚に合わせて、コーランのエッセンスを理解するのによい本だ。
イスラムに興味がある高校生に薦めたい
コーラン入門のための入門書として読むのによい一冊だと思う。実際、自分も受験生のころに読んだ本である。入試には役には立たない(笑)けど、非常に楽しく読めたし、この一冊のおかげで、少しだけ大学入学後にイスラム関係に興味が持てた。
どうしても宗教の感覚は日本人には分かりにくい。特にイスラム教はかなり距離が遠い。むやみやたらと恐れてしまう。
でも、本当はもっとちゃんと理解できることも多いんだということを知るためには、やっぱり手軽に触れられることは必要かなぁと思う。
なお、子どもたちへの宗教教育がどうなっているかを知りたいときには
が名著です。イスラム教についても載っていますが、とても分かりやすく、日本の道徳教育とも共通する部分は多いのです。
色々な価値観を知ることは大変なことです。
*1:偶像崇拝的にどうなのよ