なんだか不思議ですが、2月は怒涛の出版ラッシュ?
凄い勢いで次々に読み応えのある本が発売になっています。
また、こたつの上に要塞の壁が……。
読み応えがある…!
教育の効果: メタ分析による学力に影響を与える要因の効果の可視化
- 作者: ジョンハッティ,John Hattie,山森光陽
- 出版社/メーカー: 図書文化社
- 発売日: 2018/02/20
- メディア: 単行本
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色々な方面からこの本がよいということを噂で聞いていたので発売されるのを待っていました。本日、ようやく届いたので読んでみましたが、これは強烈ですね。
メタ分析による知見の統合とその結果を用いた教育効果の順位付けを行うことの最も重要な意義は、学習者の学力向上に対して効果的な方法もあればそうでもないものもあるのはなぜかを説明し得る基本的な原理原則を導くことにある。(p.28 下線強調は引用者)
この手の話に興味があるならば、絶対に読むべき一冊だ。
本書で示された証拠の中でも注目すべきは、学習者の学習の効果を最大化は、教師が指導対象の学習者の立場に立ち、学習者が指導を行っている教師の立場に立つことによって起こるという点である。学習者が教師の立場に立つことで、学習者は自己モニタリング、自己評価、自己教授といった自己調整能力を発揮するが、これは学習を進める上で最も望ましい姿といえる。(p.57)
色々なことが一気に自分の頭の中でつながりそうな感覚がある。漫然と考えていたことが理路整然と説明されていくような期待感……!
しかし、怖いのが、本格的なメタ分析であるので、自分自身がこの手の論文を読むには勉強不足であることだ。つい、自分の都合の良いような形でデータをもてあそんでしまうのではないか……ラーニング・ピラミッドでアクティブ・ラーニングがよいと強弁するようにね。
これは海外の事例であることも注意が必要だと言われているが……折よく、こんな本も出版になります。
高大接続の本質―「学校と社会をつなぐ調査」から見えてきた課題 (どんな高校生が大学、社会で成長するのか2)
- 作者: 溝上慎一,京都大学高等教育研究開発推進センター,河合塾
- 出版社/メーカー: 学事出版
- 発売日: 2018/02/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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これはまさに日本の現状についての分析である。まだ、届いていないので中身を見ていないけど
どんな高校生が大学、社会で成長するのか―「学校と社会をつなぐ調査」からわかった伸びる高校生のタイプ
- 作者: 溝上慎一,京都大学高等教育研究開発推進センター,河合塾
- 出版社/メーカー: 学事出版
- 発売日: 2015/07/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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の続編にあたるような内容になるのではないかと期待している。
『どんな高校生が…』の分析は、高校が「社会への繋がり」を考えずに、近視眼的な授業を再生産していることの罪深さを思い知らされた一冊だけに、今回も衝撃を与えるような内容だと期待しています。
情報時代の学校をデザインする: 学習者中心の教育に変える6つのアイデア
- 作者: C.M.ライゲルース,J.R.カノップ,Charles M. Reigeluth,Jennifer R. Karnopp,稲垣忠,中嶌康二,野田啓子,細井洋実,林向達
- 出版社/メーカー: 北大路書房
- 発売日: 2018/02/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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インストラクショナルデザインで有名なライゲルースの本。
何といっても、今回、この本を強調したいのがPBLで自分が一押ししているミネソタ・ニュー・カントリー・スクールについての解説があることだ。
学校というパラダイムが大きく転換するときに、完全なプロジェクトベース学習で学校を作り上げている、ミネソタ・ニュー・カントリー・スクールについて、もっと多くの人に知ってもらいたいだけに、この本がどうなるかとても期待している。
これも気になるところです。学校のパラダイムの転換という意味では興味深いはず。上の本が研究色が強いので読み切れないかもしれないけど、こちらはちゃんと読みたいところ。人にも勧めやすい。
有名な「まんがで知るシリーズ」。
まずまず、よい本だったので今回もよくなるのではないかと期待したい。働き方改革というのがテーマなのはちょっときな臭くなるけど…。
まだ読み終わらず…
この前、届いた本もまだ精読しきれていません。
見方・考え方[社会科編]―「見方・考え方」を働かせる真の授業の姿とは?
- 作者: 澤井陽介,加藤寿朗
- 出版社/メーカー: 東洋館出版社
- 発売日: 2017/10/14
- メディア: 単行本
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なぜか国語科編が表示されないので代打で社会。
国語編についてはだいぶ読み進めましたが、小学校の実践の丁寧さは感じます。肝心の理屈や理論については……思うところは多々あります。
アクティブ・ラーニング時代の古典教育 小・中・高・大の授業づくり
- 作者: 河添房江
- 出版社/メーカー: 東京学芸大学出版会
- 発売日: 2018/02/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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これはこの前に少し紹介しましたね。
やはり読めば読むほどやっぱりこれじゃないという感じがする。うまく説明しきれていないので、もっと精読しないとな……。
2月が怒涛の出版ラッシュ
なぜか、重い本が大量に発売になっております。
他にも見落としがあったら教えてください。