生徒の現実をきちんと見取ることができないと、授業の展開は上手くいきません。
自分の期待が過多でもダメであるし生徒を見くびってもダメ。そして、学校としてのカリキュラムとは無関係に独立して、生徒の直面している現実はある。
なかなか上手くいかないものです。
日々、敗走しているのである
今の学年は自分が高校1年生から教えているのである。だから、この段階で出来ないこと、達成できていないことは、やはり全て教えてきた自分に跳ね返ってくることである。だからこそ、誰にも文句を言うことは出来ないし、その犯した損失の大きさの責任を負わなければならないのだ。
それだけに、今、こうして授業が思ったように進まなかったことに、非常に自分がダメージを受けている。自分が期待したよりも全然、読めない、読もうとしない、無関心であるということに、愕然としているのである。
もちろん、授業者としての自分の力量のなさのせいで、子どもと素材の出会いが不幸なものであった可能性は否定できない。
しかし、それでもこんなに読むことを「拒絶」されたのは、ダメージが大きい。
厳密に言えば、教科書の文字は追っている。そして、何となく問いに対しては答えてはいる。しかし、一皮めくれば、文字をつなぎ合わせただけで全く実感の伴っていないやり過ごしであるのが見えるし、課題をこなすならまだ良い方で、そもそも文章を読む気が無いという。
ここまでやってきたことからすれば、色々な話が繋がって面白く読めるはずだと思っていたのだが……、自分のやってきたことや自分の期待ばかりが空回りしていたようである。その空回りの結果、生徒の等身大の姿を見誤ったのである。生徒の見立てをミスった単元構成が上手くいくわけがない。
完全に、自分のミスである。
こんなにつまらないことになるなら、初めから分かりやすく内容を教えてしまって、別のことをやればよかった。でも、そうして何かを問うことなく理解して満足してしまう態度こそ、今回の文章が手厳しく非難している態度であるのだから、自分で読まなければいけないと思ったのだけどな…。
自分の思い上がり
こんな状況に陥ったのは、自分がやってきたことに対する慢心があったからでしかない。「これくらいやってきたのだからできるだろう」とか「このくらいは出来て欲しいのだ」とか。
期待でもあるし、やっていることへの過信である。
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自分の気持ちが先走るとろくなコトにならない。
自分を戒めて生活しているはずなのだけど、ちゃんと距離を取れないのである。