すっかり忙しくて、気力も切れていて読むのを放置していたのだが、これは読むべき一冊でした。
月刊国語教育の最新号ですが、「総力大特集」という看板に偽りなしである。
「深い学び」を俯瞰する
今号の巻頭特集は「資質・能力をはぐくむ「深い学び」とは」である。
筆者も奈須正裕先生、松下佳代先生、田村学先生というビッグネームである。
各論者の共通する部分もあれば、微妙に異なる部分もある。その考え方の違いがざっくりと眺められるのは、ものすごくこの一冊お得ではないか?
もちろん、詳細に本当に理解しよう、授業に活かそうとなると、ここで挙げられている参考文献から掘り下げないといけないのだが、一気にこれだけの情報を俯瞰できるのはお得である。
PBLの話もあるよ!
すっかりPBL警察になっていると自他ともに認めるところですが、
今回の特集号には「PBL」の話も出てくるのです。解説はPBLといえばこの人!
教育の方法と技術:主体的・対話的で深い学びをつくるインストラクショナルデザイン
- 作者: 稲垣忠,市川尚,小林祐紀,佐藤靖泰,菅原弘一,寺嶋浩介,成瀬啓,深見俊崇,森下孟
- 出版社/メーカー: 北大路書房
- 発売日: 2019/03/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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情報時代の学校をデザインする: 学習者中心の教育に変える6つのアイデア
- 作者: C.M.ライゲルース,J.R.カノップ,Charles M. Reigeluth,Jennifer R. Karnopp,稲垣忠,中嶌康二,野田啓子,細井洋実,林向達
- 出版社/メーカー: 北大路書房
- 発売日: 2018/02/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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稲垣先生です。
稲垣先生なので「ハイテク・ハイ」や自分が大好きな「ミネソタニューカントリースクール」が紹介されていますよ!エドビジョン型PBLって国語教育の雑誌に出てくるってなんて画期的なんでしょう!!
この通り、ミネソタニューカントリースクールと言い続けている訳である。
実践例として紹介されている、中学校の渡辺光輝先生の「出版学習」は特にPBLらしいPBLであるなぁと心が躍る。なかなか高校の苦戦が見えるだけに、どうやって国語の中の探究を考えるかは今後の大きな課題だなぁと思うのである。
ICTの話もあるよ!
欲張りセットもいいところで、今回はICTの解説もある。こちらの提言は野中潤先生。
学びの質を高める! ICTで変える国語授業 ―基礎スキル&活用ガイドブック―
- 作者: 野中潤
- 出版社/メーカー: 明治図書出版
- 発売日: 2019/02/07
- メディア: 単行本
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SAMRモデルの解説までもあり、本当、今号は一体どれだけ欲張りなんだ……!
……高校の実践の紹介がなかったのが残念。おそらく紙面の都合だと思われる。
他にも欲張りに……
あと他にも「思考ツール」と「評価」についての提言と実践まで述べられている。
しかも、珍しいことに高校の実践まで掲載されている。ここ数年、高校の実践の掲載率が増えた気がする。大きく変わるのが分かりやすいのが高校だけに、実践提案への授業が増えているのかもしれない。
今までのイメージだと、高校だけ蚊帳の外みたいな、むしろ興味を持たないような、そんな実践例へのアクセスの悪さを感じていたので、これもよい傾向かしらん?