今週のお題「2017年にやりたいこと」
お題ついでに。Twitterでつぶやいたことをもう少し文章にしてまとめておこう。
あまり計画的な何かがまだあるわけではないので構想未満の何かと思ってもらえれば……。
「自分で読む」ということの重要性を感じる
今年一年間の「国語総合」の授業を通してつくづく感じることが、深く物事を考えるためには時間がかかるという当たり前のことだ。
つまり、一つ何かの作業をやらせるにしても、深く考えるには多くの知識が必要であるし、いくら知識があっても十分なアウトプットをするためには、作業にかける時間が必要だ。
特に、ライティングワークショップのようなことを今回やったので、子どもたちの持っている手札の少なさも感じたし、必要な環境が揃えば自分たちでとことん本を読み、考え続けることに手応えを感じたので、ぜひともリーディングワークショップをやるべきのように感じている。
もちろん、リーディングワークショップをやることが重要だと思っているのではなく、その結果として、いかに自立・自律して学ぶ習慣のある人間になってもらうかが問題だと感じている。
このあたりの話はあすこま先生が前に記事を書かれていたので、もっと詳しくちゃんと考えたい方はご参照いただけるとよいのではないかと思います。
まあ、あすこま先生の記事を読まれてしまうと、自分の言いたいことはほとんど言い尽くされているし、自分よりもはるかにちゃんと書かれているので、自分がかくことはなくなってしまうのだけど…(笑)
まあ、それでも今になって「個別に本を読むことの重要性」を考えるのも、個人的な理由が大きい。
というのも、自分の勤務校のコマ割から考えると、今、教えている生徒は来年以降も指導することがない可能性が高い。だから…というわけではないが、やはり一年教えて情も移った生徒に対して、この三学期に何かは残してやりたいと自分勝手なことは思ってしまう。得てしてそういう教える側のエゴはコケるんだけど…。
まあ、余計な知識や習慣を押しつけても迷惑千万だろうから、やはり自分としてはせめて最後に「自分で考える」という習慣に触れさせてから送り出したいとは思っている。
そうなってくると、やはりどうしても「図書室で時間をかけて自分で読むこと」を避けては通れないだろうと思っている。
はたして短時間でもやる意味があるか
自分が今回リーディングワークショップをやるとしたときに大きな課題として立ちはだかるのは、「時間の確保が難しい」ということだ。
どうしても自分の都合だけで授業を行うことはできないので、正規のカリキュラムを圧縮した上で、その浮いた時間を使ってリーディングワークショップをやっていくしかないと思っている。
ただ、そういう取り組みの仕方でよいのかはちょっと自信が持てない。例えば、リーディングワークショップの参考書籍として
読書家の時間: 自立した読み手を育てる教え方・学び方【実践編】 (シリーズ・ワークショップで学ぶ)
- 作者: プロジェクト・ワークショップ
- 出版社/メーカー: 新評論
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リーディング・ワークショップ?「読む」ことが好きになる教え方・学び方 (シリーズ《ワークショップで学ぶ》)
- 作者: ルーシー・カルキンズ,吉田新一郎・小坂敦子
- 出版社/メーカー: 新評論
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理解するってどういうこと?: 「わかる」ための方法と「わかる」ことで得られる宝物
- 作者: エリン・オリヴァーキーン,山元隆春,吉田新一郎
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2014/10/01
- メディア: 単行本
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などを読んでいるし、やはり今、読んでいて大いに影響を受けているのが
The Reading Zone: How to Help Kids Become Passionate, Skilled, Habitual, Critical Readers
- 作者: Nancie Atwell,Ann Atwell Merkel
- 出版社/メーカー: Scholastic Prof Book Div
- 発売日: 2016/11/16
- メディア: ペーパーバック
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であるのだけど、これらの本を読むと、リーディングワークショップにかなりまとまった時間をかけている。
Twitterでも少しリプをいただいたけれども、やっぱりそれなりに効果や手応えが出てくるためには、それなりの「経験値」が必要だという話を聞く。今まで意識的に、戦略的に本を読むという経験をしてこなかっただけに、伝えなければいけないことは少なからずあるように思うし、そうなると週一の授業でしなければいけないことが増えてしまって、肝心の読書の時間が短くなっていきそうな……(こういう時に、動線の悪い本校の図書室が恨めしい。休み時間の移動で間に合わないから必ず遅刻されるし!!)。
勘違いされたくないのが、「暇つぶし」のために図書室で自由に本を読ませるというわけではない。こんな心配をしなければいけないのは…まあ、お察しください。
「朝読書」や「帯単元」のように読ませていくという方法もあるのだけど、現在のところ、それらの方法はあまり考えていない。
というのも、勤務校の文化としてそれほど「読書」に対する意識は高くない。そのために、学級文庫が貧弱であるので選書が十分に行われない。自由に本を読んで欲しいという願いはあるが、決して野放しに「勝手に本を読め」というスタンスでやりたいわけではない。自由に読むのであれば自由に読めるだけの条件を整えたいのだ。そのためには、やはり図書室を使うことの意味は大きいと思っている。
自分が勤務する前に、担任や学年団レベルで朝読書をやらせたことはあるらしいけど、結局、本を忘れたとか小テストの勉強をしたいなどの流れに負けて立ち消えたということを聞いている。それはそうでしょうね、本を読むより小テストや課題で圧迫しているんだから……。
それだけに、他から邪魔されずに確実に本を読むという時間をブロックして確保する意味があるとは思うんだけど……いかんせん、時間がほとんど取れない。
一方で、例えば読んでくることは課題にしてリテラチャーサークルなどの方法をとるのも手かもしれないという考えもないわけではない。
- 作者: ジェニ・ポラックデイ,ジャネットマクレラン,ヴァレリー・B.ブラウン,ディキシー・リーシュピーゲル,Jeni Pollack Day,Valerie B. Brown,Janet McLellan,Dixie Lee Spiegel,山元隆春
- 出版社/メーカー: 溪水社
- 発売日: 2013/11
- メディア: 単行本
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でも、こうなってくるとたぶん読書を習慣として実践するというイメージからは離れていくんだよなぁ…。
図書室を盛り上げていきたい
分掌も図書ではないのであまり首を突っ込むべきではないのかもしれないけど、生徒に本を読んでもらうためには、もう少し、学校自体の図書に対する文化水準を上げていきたいと最近は思うことが多い。
このあたりの話は司書の方とも時々しているし、図書関係で生徒の書いた作文や書評を図書室に展示してもらったり必要な図書を用意してもらったりとかなり協力してもらっている。しかし、まだまだ個人的なゲリラ作戦でしかないので、本を読むことに対する理解があるとはちょっと言い難い(不思議なことに、その割に「最近の子どもは本を読まない」とか「本を読め」とか簡単にいうのは何なんでしょう?)。
こうやってリーディングワークショップ(でなくてもいいんだけど)を通して、図書室の利用率が上がったり色々な本が発見されて紹介されたりしていくことで、図書室自体が自習室からラーニングスペースに変わっていってくれればいいなぁと思うんだが……。