ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

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ポートフォリオの前に

portfolio

生徒を理解しようとすることで授業への生徒の満足度があがるのではないかということを昨日の記事では書いた。

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まあ、ダラダラと書いているので別に何か強力な根拠がある主張ではない。ただ、生徒を理解する機会は大切だよなぁというくらいの話である。

ふと思ったのだが、そういえばポートフォリオが次の流行で来そうでした。

 e-portfolioは……

入試に学びの履歴を活用しようとして、「企業が」必死になってポートフォリオを売り込んでいるなぁと感じる昨今。既に調査書が点数化すると発表している大学もある*1、学びの履歴が入試に活用されていく方向になるんだろうなぁ……と。

色々な問題点や混乱の問題はここで論じているときりがないので、別の機会や他の人に譲りますが、現場の教員として「やれといわれても……」という点を挙げておく。

まず、「電子化」というハードルがものすごく高い。生徒が誰でもスマホを持っていて、通信量に余裕があって、簡単に入力できると思われるととても困る。数人くらいの対応であれば別に苦労はないのだが、40人単位で責任もってトラブルシューティングせよと言われると……ちょっと想像したくない。

入試で使われる予定にJapan e-portfolioの入力項目がなかなか不自由である。本来、自分のためのポートフォリオなのに、他人に見せる前提で一方的に形式を押しつけられてしまうので、まあ…生徒にとっては「他人事」になりますわな。

教員の方もかなり技術的な面が厳しいだろうと思う。別にテキスト打ち込んでアップロードすればいいだけだろうけど……まあ、無理だと投げ出す人が多いのが火を見るよりも明らかである。だって学内システムがまともに使われないでなんでもかんでも紙でやりとりするんだから……。

何のための活動記録なのよ…

活動の履歴を蓄積し、振り返るという作業はたしかに重要だ。蓄積されて客観的に見られるからより深く振り返ることができるともいえる。

なぜ、アクティブラーニングにこだわるのかといえば、自分は以下の溝上の定義を重視するからである。

一方向的な知識伝達型講義を聴くという(受動的)学習を乗り越える意味での、あらゆる能動的な学習のこと。能動的な学習には、書く・話す・発表するなどの活動への関与と、そこで生じる認知的プロセスの外化を伴う。(溝上慎一(2014)「学校から仕事へのトランジションとは」溝上慎一・松下佳代(編)『高校・大学から仕事へのトランジション―変容する能力・アイデンティティと教育』ナカニシヤ出版,1–39 頁.参照)

「外化」されなければ、評価もフィードバックも行いえない。

マメに「外化」して、マメにフィードバックする中で、成長の道筋が立ち上がってくるのであろう。

ディープ・アクティブラーニング

ディープ・アクティブラーニング

 

しかし、今の「とりあえず、記録しておけばいいだろ」という態度の企業の宣伝の仕方や教員の態度を見ると、何のためのポートフォリオなのかということがほとんど議論にならない。

いや、厳密にいえば企業は「メタ認知が大切だ」とか「PDCA が大切だ」とか言って教員に売り込もうとしている。ただ、別に企業としては文科省の資料の言葉を切り貼りしているだけであって、それがその学校の教育目標や教育課程にどのように組み込まれるのかということには興味はない。まあ、当然であって、教員の方が自分たちの教育に責任をもってそれを考えるべきであるが……。

この辺りの動きはルーブリックとほとんど相同的である。

 

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自分の頭で考えて、どうしたいかもっと決めなければいけないと思うのだけど……それは忙しいから無理と言って諦めていいことなのだろうか。

まずは分かりやすいところから

色々なことを考えるのが必要なのだが、情報が錯綜しているのでなかなか難しい。個人的な参考文献を挙げておこう。

まずはとにかくこれでいいのではないかと思う。

真正の学びや学力の成り立ちとは何かなど、薄いページに凝縮されているので、読むのは意外と骨が折れるが、どこから手を付ければいいかという指針になるだろう。

Q&Aでよくわかる!  「見方・考え方」を育てるパフォーマンス評価

Q&Aでよくわかる! 「見方・考え方」を育てるパフォーマンス評価

 
「資質・能力」を育てるパフォーマンス評価 アクティブ・ラーニングをどう充実させるか

「資質・能力」を育てるパフォーマンス評価 アクティブ・ラーニングをどう充実させるか

 

パフォーマンス評価、ポートフォリオ評価の実例を見ることができます。原理も簡素に解説されているので参考になるでしょう。

新しい教育評価入門 -- 人を育てる評価のために (有斐閣コンパクト)

新しい教育評価入門 -- 人を育てる評価のために (有斐閣コンパクト)

 

もう少し掘り下げるのであれば、このあたりもそれなりに読んでおく必要があるでしょう。入門なので参考文献を辿っていくことで理解が深まるはずです。

“新しい能力”は教育を変えるか―学力・リテラシー・コンピテンシー

“新しい能力”は教育を変えるか―学力・リテラシー・コンピテンシー

 

結局、「新しい学力」とは何かに戻るしかなくなる気がしている。自分が院生の頃に散々、あれこれと教わってきたことから、現場はあまり進んでいないことを思うと……もう少し、このあたりから再スタートでしょうな。

*1:例えば筑波大学など。ただ、1550点の50点なので…さて、どう考えるべきか。

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