どこまであてになるかあまり信頼はしていないけれども、それでも授業アンケートは丁寧に見て授業改善に努めるのは大切でしょう。
今年度の前期のアンケート結果が返ってきているので教科でもそのうち検討することになるので思うことをメモ書きしておこう。
個人の反省として
自分の授業への結果としては基本的には良好です。そりゃあ、三年間持ち上がりで教えているし、成績的には比較的良好なクラスを多く持っているので相対的によく出やすい条件が整っていますので。
個別の項目を見ていくと、「板書が少ない」とか「大事なポイントが分かりにくい」とかマイナス評価が多いのですが、そもそも授業で板書をほとんど使っていないので、まーしゃーないところかと。
なかなか厳しいのが「予習時間」「復習時間」が増えないというところ。これでも教科内では比較的高いし、学校内で見ても高い方なのだが……しかし、量的に見ると半数はほぼ毎日何もしていないということになってしまうのである。
別に授業外で宿題をやることばかりがよいとは思わないが、何も授業外で勉強しない……というのもなかなか厳しい。勉強の仕方を割と明示的に教えているのでそれでも「マシ」ではあるが……なかなか難しいものである。
なお、自分の授業アンケートの特異な点としては、「授業が難しい」というネガティブな評価がかなり多いものの、授業への満足度はそれなりにあるという点です。まあ…難しくても自分たちにとって意味があるならそれなりに楽しめるということでしょうか。
教科全体として
教科ごとの平均結果も知らされているので教科会での意見交流に向けて資料の整理もしています。
まあ、あまり細かいものが分かる訳ではないので、全体の何となくの傾向くらいなものですが、それでも分かることはあるし、授業改善に繋げられそうなことはある。
色々な指標であれが低い、これが低いということはあるのだが、自分の勤務校の傾向としては比較的はっきりと出ているのが「生徒の理解度の確認」に関わる項目の満足度が高くないことである。
厳密にいえば、勤務校が特別低いのではなく、全国平均を見てもかなり低いのである。
多くの教員は「生徒のことを理解している」と答えるだろうし、理解しないでよいとは思っていないだろう。しかし、アンケートの傾向としては「理解してくれない」という生徒の答えがある。
また、業者から教えてもらったことであるが、「生徒のことを理解している」かどうかということは、「学力向上の実感」とも強く相関があるそうである。なるほど、確かに教科間の比較を自分でも確かめてみると、「生徒を理解している」と思われている科目は「意欲」が高くなり「学力向上の実感」も高い傾向になっている。
まあ、生徒のアンケート回答の様子を見ているとあまり真剣に取り組んでいるようには見えないので、どこまで本気にするかは別とするけど、「生徒をちゃんと理解する」という指摘はそれなりに真面目に検討してよい項目だろうと思う。
授業の効果を大福帳などで高められる?
ハッティの
教育の効果: メタ分析による学力に影響を与える要因の効果の可視化
- 作者: ジョンハッティ,John Hattie,山森光陽
- 出版社/メーカー: 図書文化社
- 発売日: 2018/02/20
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
には生徒の理解やフィードバックに関わる項目は効果が高めである。
たまたまでしょうけど、軽く流すことでもないでしょうと思うのです。
だから、学力向上の実感までは以下の図のような流れになるのだろうと仮定できそうである。
ま、授業アンケートの項目を並べただけだけど、あまり大きく外れてもいないのではないかと思う。
自分としては、大福帳やふりかえりジャーナルの効果を感じているし、それらによって生徒とコミュニケーション取れることで、授業にプラスの影響を与えている感覚はある。
5分の授業時間の投資で、生徒がやる気を出して前向きになれるのであれば、試してみてもいいことなのではないかなぁと思う。
ちなみに、自分は今年度はやっていない。というのもノートを細かく集める方向に切り替えたからである。しかし、ノートだとジャーナルや大福帳よりも書くことのハードルが高くなるようで、書き方が雑になったり提出がいい加減になっている。あと、自分の方が管理しづらい。
何とか生徒をきちんと理解する工夫をしていきたいところです。ICTが威力を発揮しそうなのだけど、整備されていないものはどうにもならないのです。