ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

言葉が足りないが…

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考査や模試の分析を色々と行っているが、色々としんどい。

まあ、色々と仕方ないと諦めつつも、次の手をどうやって打っていくのかということが悩ましいのである。

国語がボトルネックなのか

なかなか成績が伸び悩むと、他教科の先生から「国語ができないからどうしようもない」と攻撃(文字通り)されることがある。

個人的には、この物言いは面白くはないし、自分の教科で必要な国語力は自分の教科内の言語活動で保障してもらいたいと思っている。

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能力は簡単には転移しない。だから、同じような文章を書くという作業であっても、決して国語科だけで解決できる問題ばかりではない。

例えば、英語の訳を書くという作業において、日本語の語彙に限界があると上手く行かない可能性が高い。なかなか高校くらいまで来ると英語のレトリックも難しいだけに、そのレトリックを訳しても、日本語の意味が理解できない。

こういう場合が難しい。

確かに語彙を豊かにすることやレトリックを豊かにすることは国語の仕事ではあるのだが、英語の訳で使うようなレトリックまで国語の授業だけで賄えるかと言われると相当に厳しい。むしろ、英語の訳で使うレトリックであれば、その意味や背景まで含めて、英語の授業でむしろ積極的に「国語」を教えて欲しいとすら思うが……他力本願に過ぎるのかな。

語彙指導に悩む

今年は特に語彙指導に悩まされている。

国語教師のための語彙指導入門

国語教師のための語彙指導入門

  • 作者:鈴木 一史
  • 出版社/メーカー: 明治図書出版
  • 発売日: 2019/06/06
  • メディア: 単行本
 

取り立てていくら教えてもなかなか身にならないし、宿題でやらせてもテストに出しても勉強時間は増えていかないし、定着もしない。

やはり語彙がちゃんと使えるようになって、増えているなぁと思うのは、実際の文脈があるときである。散々に苦労した「羅生門」であるが、「羅生門」を語るために必要な語彙は、この単元を通じてだいぶ増えたように思う。

究極的には、語彙を増やすならリーディング・ワークショップとライティング・ワークショップが強力なのだろうと思う。でも、週に2コマしかない上に、250人以上教えている今年では絶対にワークショップは出来ない。

苦し紛れに大福帳を書かせ続けているが……。公的な言葉にならないものはなかなか成熟していかないなぁと思うのである。

時間が厳しいからこそ…

自分の授業で生徒の言葉の全てを抱え込むことは、もう不可能だと諦めている。むしろ、他教科を巻き込んで、もっと語彙指導に協力してもらわないと厳しいと思っているくらいである。

だから、むしろ、今後、考えるべきは自分の授業というよりも、教科を跨いで、生徒に必要な語彙を系統だてて整理してみることなのかもしれないなぁと思ったりもする。

学習用語の整理・検討は色々な教科で、それぞれにやっているが、むしろその手前で、日常の生活語彙や教科学習のための語彙についても整理してみても良いのかなぁ。

個人的な興味としては参考書の語彙がどの程度で書かれており、生徒はどの程度の語彙力がないと参考書が読めないのか、そういうことを検討してみても良い気がしている、今日この頃である。

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