ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

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【書評】リフレクションを考えるための手がかりに

Reflection in Harriman Park

なぜ、連休はすぐに終わってしまうのでしょうね……。

リフレッシュのためにスーパー銭湯に行き、一日中、ダラダラとしながら本を読んでいました。

授業づくりネットワークNo.31―リフレクション大全 (授業づくりネットワーク No. 31)

授業づくりネットワークNo.31―リフレクション大全 (授業づくりネットワーク No. 31)

 

リフレッシュしながらリフレクションの本を読むのか、リフレクションの本を読みながらリフレッシュしているのか……。

振り返りで落ち込まないように

巻頭特集がいきなり佐伯胖先生と豪華な今回の特集号*1

この巻頭対談の佐伯先生のコメントにも

とにかく暗いことだけを掘り起こすのは、やめた方がいい!(P.3)

とあるように、今号については繰り返し「ネガティブなリフレクション」をしないようにしようという話が繰り返し出てきます。

どうも振り返りというと、生徒も教員もついつい「反省」を延々と述べ、誰かに許しを乞うかのような状況に陥っていく。もう、そういう振り返りなり検討会なりは非常にしんどいものがある。自分も経験があるし、教育実習生の事後検討会などを見ていても「反省」を延々と述べるだけの重苦しい振り返りが行われることが多い。

そのような振り返りに陥らないためにも、振り返りの方法の工夫を紹介してくれているのが本書の特徴である。

振り返りというと、やはりコルトハーヘンが思い出されますが、本書でも何度も言及されています。

教師教育学:理論と実践をつなぐリアリスティック・アプローチ

教師教育学:理論と実践をつなぐリアリスティック・アプローチ

  • 作者: F.コルトハーヘン,Fred A.J. Korthagen,武田信子,今泉友里,鈴木悠太,山辺恵理子
  • 出版社/メーカー: 学文社
  • 発売日: 2012/02/20
  • メディア: 単行本
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名前は聞いたことあるけど……という人にとっては、今回の記事の中で紹介されているあたりから勉強してみるといいかもしれないですね。

教員同士の対話の必要性を思う

「対話」というと仰々しいのだが、日常的に授業のことや学校のことや教育のことを議論しあうようなことをしたほうがいいのだなぁ…と最近感じている。

www.s-locarno.com

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初めは授業のテクニック的な勉強会のつもりで始めたのですが、どちらかというと教育観を交流するような会になっている部分もあります。

そんな中で、今回の『リフレクション大全』を読んで、日常的な教員同士の対話、リフレクションの必要性をますます痛感させられた。例えば、それぞれの記事の中でこんなことが書いてある。

日常的な事後検討会は、それを継続させていくためにも、その会での経験自体が、参加者にとって有意義感のあるものでどうかがまず問われる必要があります。有意義感には、学びの深さのみならず、自由で民主的な雰囲気で同僚とつながることができたか、会に主体的に参加できたという意識が持てたかといった点も含まれます。(P.17 石井英真「教師の学びと成長とは?~リフレクション入門~」 下線強調は引用者による)

他にもコルトハーヘンの「コアクオリティ」を引きながら、他者との協働的なリフレクションの意義などが多くの論考で説明されています。

そうだよなぁ……一人でやるだけで見えないことも多いのだろうなぁ…。自分自身の教員としての強みを理解しつつ、同僚の強みを理解したときに、やっと学校として組織的に協業ができる気がする。

そもそも、お互いに何者かよく分からない状態で仕事をしすぎなのである。

TPチャートに興味が出てきた

教員同士の協働的な振り返りとして、今回、非常に参考になったのが栗田佳代子先生のティーチング・ポートフォリオ・チャートだ。

実践の方法もかなり詳しく説明されており、ちょっと詳しく勉強してみて実践してみようかなぁと思わされた。

教師のための「なりたい教師」になれる本!

教師のための「なりたい教師」になれる本!

 

さっそく注文してみました。

www.youtube.com

これは栗田先生の解説動画。なんて便利なのでしょう。

kayokokurita.info

来月にワークショップがあるという情報をゲット……ちょっと行きたいなと思い出したけど、予定合うかな。

なかなか納得してからでないとこういうワークショップに出て上手くやれない性格なのだけど……予定さえ合えば興味がある。そのくらい切実に、学校の中の対話に危機感を持っている。

ブログは振り返りになるだろうか

石川晋先生の論考「教師にとってブログはリフレクションツールになりうるか?」(PP.42-47)が、教員としてブログを書いている自分にとっては面白い話だった。

石川先生も「日々をブログに書き綴ってきましたが、その行為の省察をしてきたとは到底言えません」(P.43)と書かれているように、自分もこのブログが果たして教員としての省察につながっているかはよく分かりません。

ただ、論考にもあるように、ブログに蓄積されていることで、かつての自分が何を思っていたかということを読み返すことに繋がるし、「読者」がいることで自分の経験が共有されてコメントされること、見直されることで得られる気づきもあるのである。

ただ、石川先生の論考の「人に会って対話することを回避してブログやSNSに頼っても、実践の意味のあるリフレクションが日常的に起こることなど期待できなそうです」(P.47)というコメントがあるように、やはり最後は「他人」とのつながりである。

ちゃんと閉じこもらないで、対話の場に出ていかなければいけないなとつくづく思うのである。

少なくとも、ブログやSNSは備忘録くらいにしか今のところならないと思う。

議論し、意見を述べるべき場所はもっとあるのだから。その手間を惜しんではならないと思っている。

*1:佐伯先生のみならず、石井英真先生など他の先生方もかなり豪華な今号。

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