やっと今日で折り返りしくらいまでやってきました。
授業づくりネットワークNo.33―あなたの授業を変える12のポイント (授業づくりネットワーク No. 33)
- 作者: ネットワーク編集委員会
- 出版社/メーカー: 学事出版
- 発売日: 2019/08/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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とりあえず半分まで来たので、明日は別のことで記事を書こうと思っています(ネタはない)。
今週に入ってやっと夏休みなので、夏風邪からの回復を図りつつ、体力回復に努めています。イマイチ、集中できないですっきりしない体調。
④質問力
四つ目のテーマは「質問力」について。これは自分としてもこだわってQFTをやってきたこともあるので、興味の強いテーマです。
④質問力の論考の一つ目は pp.46-49 長田友紀先生の「質問することとは何か」自ら質問できるようになるための三つのポイント。①主体性、②質問の仕方、③話題に関する知識。 #授業づくりネットワークno33
— ロカルノ (@s_locarno) 2019年8月6日
主体性について、ジョンストンの「自分が行動すれば、特に、よく考えて行動すればきっと達成できる」を紹介しつつ、教師が質問することを励まし、自信を持てるようになることが大切だと述べる。質問はどう生きていくのかというアイデンティティそのもの。pp.46-47 #授業づくりネットワークno33
— ロカルノ (@s_locarno) 2019年8月6日
教師や仲間の「質問」は、モデルであり、質問の仕方の工夫を生み出す土台であり、尋ねてよいという雰囲気を作る。ジョンストンが紹介する質問と効果を紹介。pp.47-49 この辺りは『言葉を選ぶ、授業が変わる』ミネルヴァ書房 を全て読みたいところですな。 #授業づくりネットワークno33
— ロカルノ (@s_locarno) 2019年8月6日
pp.48-49 質問のタイプの差。知らないことを質問スキルで尋ねる質問と、よく知るために目的を持ち情報を集めながら考える問い。インタビューと編集を通して質問力が育っていく事例。「質問する事は単なる技術ではない。生きるためのアイデンティティーそのものである。」 #授業づくりネットワークno33
— ロカルノ (@s_locarno) 2019年8月6日
一つ目の長田先生の論考は
の一番おいしいところを端的にまとめて紹介なさっていたイメージ。この本が「質問力」の話だとは自分が読んだときには思っていなかった。
ああ、確かによく考えればQFTで「質問」できることが「市民社会の根幹だ」という話が重要視されていたのと同じように『言葉を選ぶ……』の中でも、なぜ教師が言葉を選ぶのかと言えば、「市民社会の主体性の感覚を育てるため」という観点は論じられていた。
もう、これは頭殴られたように割とショックだった。こういう問題意識でちゃんと繋がりを見ていかなければいけないのだということを思い知らされたと言いますか、自分の問題意識が上滑りしているようで……反省です。視野が狭い!
④質問力のその2 pp.50-53 井上太智先生の「網羅主義とどう付き合うか〜問いづくりの実践〜」。これは『たったひとつを変えるだけ』のQFTの実践ですね。網羅主義と付き合いながら、子どもの興味関心から出てくる問いを大切にするには? #授業づくりネットワークno33
— ロカルノ (@s_locarno) 2019年8月6日
こちらはいよいよ本丸のQFTの解説です。
たった一つを変えるだけ: クラスも教師も自立する「質問づくり」
- 作者: ダンロスステイン,ルースサンタナ,Dan Rothstein,Luz Santana,吉田新一郎
- 出版社/メーカー: 新評論
- 発売日: 2015/09/04
- メディア: 単行本
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質問と言えばQFTというくらいに人口に膾炙してきた気はする。ただ、継続して実践が行われているかというと微妙で、なかなかまだ実践例も手に取りやすいところには出て来ないので、こういう機会に少しずつ知られて行って欲しいなぁと思う。
p.50 余白のある授業デザイン。教師の教えたいことを詰めすぎると生徒はこなすだけになってしまう。問いが浮かんだり深めたりする余裕がなくなる。 pp.51-52 QFTの方法の紹介。工夫して実践されているそうだけどここで書かれているのはQFTのよい形の抜粋になってますね。 #授業づくりネットワークno33
— ロカルノ (@s_locarno) August 6, 2019
pp.52-53 単元への位置付け。問いを大切にしたいと言いながら教師の教えたいことを扱ってしまいがちという失敗。単元の位置付け方が大切。 #授業づくりネットワークno33
— ロカルノ (@s_locarno) 2019年8月6日
QFTは市民社会の市民として必要なスキルを教えるための技法というところに根がある。このことをきちんと考えないと、ブレーンストーミングもどきになってしまう。四つのルールも「市民としての感覚」を育てるための仕掛けなのである。
⑤表現力
⑤表現力の論考の一本目は山崎正明先生の「子どもの表現力を育てる図画工作・美術」自分がいい思い出がないので、やっぱり教員になっても苦手なまま。pp.54-57 #授業づくりネットワークno33
— ロカルノ (@s_locarno) 2019年8月8日
表現力という切り口が面白い。そして、五教科以外の、技能教科からの提案というのがさらに面白いのです。二つ目の論考が「書くこと」の提案ですが、「美術」などの技術と「書くこと」の技術を教えることは近いものがあるよなぁと思ったりする。
以下に見出しだけを紹介していますが、この見出しのような観点で授業を見ることは、教科問わず重要なことであるように思われるし、学習者主体の授業づくりの重要な観点を端的に教えてくれているように感じる。
pp.54子どもの表現に対する強い思いや意欲の素晴らしさ。表現力を育てることは技法を学ばせることだと思われがちだが、必要感のないところに教えても身につかない。表現することは楽しく面白いと感じる中でより良い表現を目指すことが大切 #授業づくりネットワークno33
— ロカルノ (@s_locarno) 2019年8月8日
pp.54-56 表現力を育てるための指導のポイント、①魅力ある題材を手渡す、②子どもはどう表現するのだろうかと教師がワクワクする、③題材の中に「選び、決める」場面を豊富につくる、④学びの仕掛けとして環境を構成する、⑤子どもの発想法を知っておく(続く #授業づくりネットワークno33
— ロカルノ (@s_locarno) 2019年8月8日
pp.56-57 承前)⑥試す活動を取り入れ、その結果は共有し学び合う、⑦相互鑑賞を通して学び合う、⑧机間巡視で子どもの思いを知る、⑨振り返り、価値を生み出す、⑩繰り返し指導するからこそ身につく「共通事項」を意識する #授業づくりネットワークno33
— ロカルノ (@s_locarno) 2019年8月8日
まさに単元学習の観点だよなぁ。大村はまを思い出すよ。
⑤表現力の二つ目の論考は渡辺光輝先生の「子どもの表現を引き出すために、教師は何を考えているか」pp.58-61 「書くこと」の授業づくりの観点と実践例の紹介と提案。渡辺先生の御実践はホームページに詳しいのでご覧ください。 #授業づくりネットワークno33 https://t.co/e0BrSwi0GA
— ロカルノ (@s_locarno) 2019年8月8日
pp.58-59 「書くこと」授業を支える言葉。「自分にしか書けないこと」「だれが読んでもわかる」「社会とつながる教育」。授業づくりの観点として「文種」「題材」「試行錯誤と創意工夫」。生徒の目線になることや教師もやってみることで支援のポイントが見えてくる #授業づくりネットワークno33
— ロカルノ (@s_locarno) 2019年8月8日
pp.59-61 授業のデザイン。表現することが楽しいと思って授業を終えられるようにしたい。実践を三つ紹介。いずれも読み手を意識したりモデルがあったり書くことを触発する工夫が述べられる。「授業を変える」ためには教師自身が日頃から書くことに親しみ、学ぶのを楽しむ #授業づくりネットワークno33
— ロカルノ (@s_locarno) 2019年8月8日
渡辺先生の「書くこと」に関する論考。端から端まで頷くしかないです。全面的にこういうことだよなぁと同意します。
先生のHPにも書くことについての論考が述べられていますので、ぜひ、興味ある方はご覧ください。
中学校の実践がメインですが、ここまで中学校で豊かな学びができるならば、さて、高校はどうするべきなのでしょうか。「社会とつながる教育」ということが、今回の先生の論考でしたが、より社会と近づく高校においてはどんな実践がありうるのか、どんなことを願いとして、生徒と授業していかなければいけないのか。
大学入試改革で大童になっているように感じられることがままあるが、入試は入試として冷静に見つめつつも、入試だけではなく「どのようなことが必要なのか」「どのような学びがあり得るのか」ということを考えて、授業に落とし込んでいなければいけないなと、自分の今後の課題として思うのです。