新入生のオリエンテーションが終わったら、今度は自分のクラスの生徒を一人一人面談である。生徒のことは生徒自身に聞くのが正しい。
後ろ向きなスタートは誰もしない
勤務校は基本的には併願校である。第一志望で入ってくる生徒の数は決して多くはない。
しかしながら、それでも入学してくるからには、学校に対して期待していることは多くあるし、自分だって大学入試でよい成果を残したいという気持ちがある。
その気持ちがいつの間にか萎えてなくなってしまっているのが、例年の姿なのです……さて、どうすれば、前向きな気持ちを続けてもらえるのだろう。
模擬試験を受ければ、勉強量に比例してはっきりと偏差値は示されてしまうし、頑張ったからと言っても必ずしも結果につながるとも限らない。結果が出ないで苦しんでいるうちに、いつの間にかだんだんと教員への恨みつらみが……。
それならまでいいのだが(よくない)、教員が進んで自分から評判や信頼を損ねるような裏切りをしているのだろうと思う。約束を守らない、話を聞かない、自分のことを考えてくれない……etc
教員に余裕がないことは、子どもにとって不幸である。
夢のある話を
どうしても高校と中学校では勉強の質が異なっているため、生徒が心配であると、いきおい勉強の話ばかりしてしまいがちである。本当はもう少し、普段の趣味のことだとか部活動のことだとか聞いてあげればいいのに……と我ながら思うのだが、スタートに戸惑ってほしくはないなと要らぬパターナリズムを発揮してしまう。
入試の話ばっかりしている気がする。
ついつい、数か月前まで受験生を指導していたので、受験モードな話をしてしまいがちだけど、相手は新入生である。いかんいかん。
でも、どうせなら生徒には夢を見てもらいたい。今の自分の持っている手札でできることを……ではなく、今は手札にないものまで期待して頑張ってほしいのである。
生徒たちが夢見て頑張ろうとしてくれるなら、自分の持っている人脈も、知識も、彼らに繋げてあげることができるはずだから。でも、必要とされないところに、自分の持っているつながりをつなげることはできない。それは相手に失礼になってしまう。
相手の知識に寄りかかり、一方的に自分が利益を得ることを期待しようなんて、そんなことはできない。相手にとっても意味のある出会いになってほしい。
おせっかいなポートフォリオ
おせっかいなことに、ポートフォリオに面談の記録は全部記録として残すことができる。
こうして今話していることが、三年後にどうやって答え合わせされるだろう?