ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

生徒の姿が見えているか

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教育実習が終了して、実習生と授業について話すことが多くあった週末でした。

技術の問題よりも

授業に関する技術は、3週間の実習ではなかなか上手くいかない。板書一つとっても、練習した分だけの上手い下手は見えるけど、それでもなかなか頼りない板書から脱却できる実習生は多くない。字の上手い下手で言えば、字の上手い実習生も多いけど、板書の技術はやはりそれとは別である。コツはあっても、技術として使えるまでには結構な時間がかかるということなのだ。

だから、実習生の研究授業を見て、あまり技術的なことをあれこれとアラ探ししても意味が無いし、まあ、自分が指摘しなくても誰かが指摘するだろう…なんていい加減な対応をしがちである。

それよりは、授業を作る上でどれだけ生徒の実態を把握しようとしたのかということを実習生と話すことにしている。

まぁ…指導教員が何を指導しているのかということも大きいので、自分の話が正しいというわけではないし、後出しじゃんけんのように実習生を困らせかねないという気持ちもあるのだが、教員になるという実習生に対しては、やはり同僚として働くなら、こういう教員であって欲しいという願いを込めて話をする。

やはり、生徒をこの短い実習期間にどのくらい見て、理解しようとしたのかということを話をするのである。

評価とは点数ではない

実習生と話していてなかなかテストの呪縛は大きい。「生徒の力を確認した?」と聞くと、「確認テストをしていない」とか「模試の成績は見てません」(というか、見たらいかんデータ)とか「テスト」の話が返ってくることが多い。

たとえば、国語科であれば生徒の普段の授業の中での言葉遣いや提出物に書いてくる言葉などをどれだけ観察しようとしたかということである。もしくは生徒の中に入っていって、実際に会話をしてみたり読んでいる本を聞いてみたりしてみて、生徒の言語生活を見取ったかということである。

そこまで時間が無いとしても、せめて授業についての感想を集めたりノートを集めたりすることで、生徒の言語生活や言語能力を見取ることをしようとしたかということを問うているのである。

やっぱり、生徒の実力を理解しようとしたかい?と問うて、点数やテストのことしか返ってこないのは寂しい。また、そういう価値観だけで進んでしまうと、どこかで行き詰まったときに、他の方法が見つからなくなってしまう。

雑務から解放されている実習だから

実際の教員と違って、放課後の雑務から解放されているのだから、実習生は色々な面で生徒と関わった方が得である。

教員になると分かっているけど、放課後に職員室の外に出て、教室で生徒と時間を過ごすことが難しくなる部分もある。

ぜひ、色々な生徒の姿に関わることが実習であって欲しい。

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