予備校の情報が出そろったので、ここからは出願と対策ですね。
毎年、思い出すところから…
二次試験対策が始まるわけだけど、毎年、この時期に「あれ…どうやるんだっけな?」と思い出すところから始まる。
単純な問題への解答であれば、だいたい勘所は覚えているのだけど、バラエティに富んだ試験になってくると、思い出すまでに多少の時間がかかってしまう。この時期に毎年、しみじみと思うが国公立の二次試験のバラエティや個性は幅広い。
高校生の学力をよく理解しながら、大学として高校生にしっかりと考えて欲しいことが、様々な形態で出題されている。一口に小論文といっても、文章の種類や図表の有無やテーマに至るまで、それぞれの大学の個性が出ていて面白いのである。…これが共通テストで得点率で輪切りにされて序列化されているのが勿体ないと思うくらいには、どの大学も質の高い問題を用意していると感じる。
小論文や総合問題は、時代を映す鏡だなぁと思う。本当、過去問集を遡って読むと、その時期の世相が、下手な資料集よりもリアリティをもって凝縮されているように感じる。
で…おかげで、それぞれの学部学科の特色を思い出すところから始まるのである。
必死に対策をする意味
今の国公立大学受験の仕組み上、この二次試験で出題されるようなバラエティに富んだ問題への対策は、共通テストが終わってからでないと本腰を入れる生徒は多くない。いくら二次試験対策をしても、共通テストをコケるとその二次試験を受けられないし、単純な学力試験ならともかく、総合問題のようなものになると両立が難しい。
多くの高校生は、この一ヶ月で、その大学・学部の求めるような知識や考え方ができるようになるように詰め込みで訓練していくことになる。総合問題や小論文を課す学部学科は、比較的、特色がはっきりとしていることが多く、その大学で専門的に学ぶ内容については、高校生からは見えにくいものが多い印象がある。それだけに、この二次試験対策として、必死に、学部学科の課す問題への対応を考える中で、その学部学科のことを深く理解する…ということに繋がっているように思う。
今までは考えたこともなかった系統や専門の学部学科を、問題として出題される資料を読んで色々と考えたり、対策として自分で色々なことを調べたりする中で、だんだんとその大学や学問に興味を持つようになっていくのである。
本気になって知ろうとすると…びっくりするくらい、理解して身につくものである。
毎年、そんな生徒の様子を見ていると、今は辛くても頑張れと、自分にできる添削くらいはしてやりたいと思うのである。