ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

授業づくりのネタに

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受験生のための授業を作るときのネタをどう探すかという話。

大仰に言うこともないけど

授業のネタというと大仰に聞こえるかもしれないが、明かしてしまえば大したことはない、各大学が公表している「出題意図」や「採点講評」である。

国公立大学の記述問題で、採点基準や模範解答が示される大学はほとんど存在しないが(チャレンジングなことに、模範解答をちゃんと出している大学もあるのだ!)、出題意図や採点講評を出している大学はそれなりの数がある。

採点講評ということで、おそらく最も有名なのは知名度や入試業界の注目度や改革の早さという意味でも何かと話題になる「東北大学」である。

www.tnc.tohoku.ac.jp

ここまで丁寧に書いてくれると、普段授業している生徒の様子と重ねあわせて考えると、答案で何が起こっているかということがよく分かる感じがする。

色々な大学が採点講評を出している(最低限、出題意図は出さなければならないので、必ず何かしらは読むことができる。もちろん、大学の温度差は大いにありますが)ので、色々と探してみると面白いことが分かる。

結構、手間のかかる作業なので、自分も親切な人間ではないため、ここで「この大学はこうだ」という分析を披瀝する気は無いが、いやぁ……大学の言っていることを俯瞰してみてみると、同じようなことが出てくるので、やっぱり何処の高校も授業で同じような苦労をしているのだろうと想像力をたくましくするところである。

一つだけ紹介するなら

色々な大学で言われていることを一つだけ紹介するならば、多くの大学で答案の記述に対するコメントに出てくるものが「簡潔に」「分かりやすく」という旨のコメントである。

このタイプの表現が出てくる文脈はいろいろあるので、一括して良いのかということは議論があるかもしれないが、過去問題集の模範解答や生徒から聞き及ぶ色々な指導を聞くと……なるほど、そういうコメントも分かる気がする。

基本的に、受験の指導をする立場になると、「過不足」のうち「不足」の方を恐れがちである。不足の答案だと明らかに「ものを分かっていない」かのような状態になる。また、採点する側の立場からすると、「不足」は明らかにバツをつけやすいが、「過剰」になるとうっかりすると見逃しやすいし、バツをつけるのにためらいがでやすい(いや、バツつけるけど)。

そういう間隙を突いて、てんこ盛りに要素を並び立てる指導方針をとりやすいのだが、そういう答案にウンザリしている雰囲気がうかがわれる。

……授業でもダラダラ書かせてたくさん書いた子一等賞方式は止めよう。本当。

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