デジタル採点2回目である。
さすがに2回目になると操作方法にも慣れてくるので、さらに採点時間が圧縮されていると感じるのである。
労働時間は大切よ…
デジタル採点のおかげで圧倒的に考査関係の業務を圧縮できる。ただ、別にマルバツをつけているだけの採点ならそれほど短縮された感じはない。デジタル採点が強いのは得点集計にあるわけで、採点と同時にデータが取れることにある。圧倒的です。データさえ取れればあとの分析に時間をかけられる。
— ロカルノ (@s_locarno) 2021年7月7日
前にも書いたけど、記号問題ならAIが採点してくれるし、得点集計は自動で終わっているので、操作に慣れていないことや記述問題が採点しにくいことをさっ引いても、採点業務にかかる時間は確実に減っている。
自分はデジタル採点でなくても設問ごとに生徒の解答を集計して記録していたので、その人力の手間が自分の基準にあるから、採点終了と同時に分析作業まで終わっているのがとてもありがたい。
まあ、上のツイートでも書いたけど、元々、ただマルバツをつけるだけの採点だけであれば、それほどデジタル採点でも時間の圧縮は感じないかもしれない。ただ、マルバツつけるだけなら、システムの使い方を勉強する時間に採点した方が早いからね。
でも、その後、設問ごとに分析された結果を持ち寄って、教科内で今後の指導を考えたり、生徒に対して何が必要なのかをフィードバックしたりすることを考えるなら、デジタル採点はかなりありがたいシステムだと思う。
考査で自分のことを見直すために
考査は生徒の評価であると、自分の授業への生徒からフィードバックでもある。ちゃんと授業で扱ったことがパフォーマンスとして成立しているか、作問は適切だったか、授業で力をつけられているか……そういうことを答案から受け取るのである。
特に記述問題の得点分布などは主観と客観ではかなり異なるし、記述問題の得点の出方が他の設問とデータ的に整合性がないと見えるときは、採点基準や自分の採点の仕方を見直す指標になる。もちろん、記号問題は誤答分布も見られるので、作問の段階で工夫しておくと生徒へのフィードバックできる
— ロカルノ (@s_locarno) 2021年7月7日
生徒が勉強していない!!というフィードバックしか受け取れないという残念なパターンも少なからず見聞きするけど……生徒が定着まで努力できない理由が自分の指導にあるという発想にはなかなか至らないのだから、仕方ない。
デジタル採点だと設問ごとに切り取られて採点することになるから、答案全体からの「理解の仕方」みたいなものが見えなくなりやすいのは注意が必要かな。採点が終わった段階で答案全体を眺めて、生徒の出来をちゃんと検算するような手間は必要かと思う。
— ロカルノ (@s_locarno) 2021年7月8日
教科によっては解答用紙を自分で区切って解答させる(東大の解答用紙のような)ものもあるので、そもそもデジタル採点に向かないものもあるという。自分で整理して解答を書く能力も大切な一方で、データ分析、蓄積の教育効果とのバランスをどう考えるかは必要でしょうね。
— ロカルノ (@s_locarno) 2021年7月8日
工夫や狙いを持ってテストを設計することが、デジタル採点だとかえって増えるのかもしれない。採点の時点でエネルギーを削減できるのだから、その分のエネルギーを作問に向けるのは手だろう。
データが蓄えられていくことの効果はこれから
あとデジタル採点のメリットは、答案データが蓄積されること。生徒の過去回からの推移を追いかけることもできるので、年度末にまとめて答案を再度生徒に送るなどもできるのは面白いし、評価の工夫にもつながる。
— ロカルノ (@s_locarno) 2021年7月8日
生徒の答案が設問ごとに画像データとして切り出された管理されているので、生徒の答案に変化を追いかけていくことも可能である。まあ…そこまで優秀なプログラムではないから人力で画像を整理しないとダメだけど。
少なくとも、生徒は答案を取っておかないという場合は多いので、忘れた頃に過去の答案と今の答案を同時に比較させる…みたいな授業も出来そうである。
自分自身の授業についても、生徒の記述の質が変わってくることを感覚では無く画像データで確認していくことで、主観的な思いこみから脱却できるのではないかと期待したいところ。
本来は、答案を見ながら成績をちゃんと議論しなければいけないはずだけど……おそらく考査の後に生徒の答案が指導に活用されていることって今の仕組み上はあまり多くはない気がする。
だからこそ、こうして自然にデータが蓄積されてくると……評価するべきことが変わってくるのではないかな。