ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

まとめて勉強する

やっと考査に目処がついて精神的に楽になったところです。

そんなタイミングでこんなものが届きました。

 

 

三千円を超えるのに注文したのを忘れていましたよ…

新科目が始まるが…

次年度から国語科の選択科目、「論理国語」「文学国語」「古典探究」「国語表現」が始まるので、この特集である。

数年前にはあれだけ大騒ぎしたのに、今となっては当事者となって苦労しているのは、多くの場合は現場の先生であるということに、思うところは多々あるのだけど、新しく始めるのだから楽しみに迎え入れたいところである。

個人的には「文学国語」の言語活動がとにかく楽しそうだなぁと思うのだが、たぶん、高校の先生からはあまり好かれないのだろうなという気もしている。たいていの教科書会社は「進学向け」と「それ以外」の設定で教科書のバージョンを出しているのだが、「進学向け」の教科書はどこもそこまで面白くない。中途半端に学習指導要領の要素を入れ込んでいるのでかえって使いにくいアンソロジーになっている印象がある。

逆に「それ以外」の教科書の方に、各教科書会社の特色も出れば意欲的な試みも掲載されていて面白い。ただ、高校の「高尚なこと」をやりたい先生には嫌われるだろうなと思うし、パッと見て何を教えたら良いか分からない人が多い可能性も大いにあるだろうなと思う。

一年間、板書して授業することを前提とするならば、新しい要素はノイズになる。

なかなか新科目も難しいと思うところである。

ICTが高校でも入ってきていたり、生徒の興味関心も変わってきていたりするのに、自分は小手先だけ変え続けるのでいいの?くらいの嫌味は言っておきたい。

さて、評価の実際は…

観点別評価が始まっているわけだけど……これはもうキツい。教えている生徒が200人近くいる状態だと、いくら評価の観点と機会を絞り込んでもシンプルに事務作業が多くて厳しい。

例えば、3観点について3回ずつどこかで評価するとしても、3×3×200で1800回は採点作業が必要になるし、一回つけて終わり……ではなくてブレがないかのダブルチェック、トリプルチェックをしなければいけない。

その上で、成績には考査の点数も入れざる得ない仕組みになっているので、すべての成績処理ができるのは考査が終わった後であり、考査終わりから終業式までは数日しかない。正直、学校の予定が悪い部分も大いにあるのだけど、これがもう少し日程が増えたところで仕事の総量は減らないので、負担感は全く軽減されない。

時間が延びたところで評価軸が時間をおくと人間の感覚でやる以上はブレるので、同じ時間帯に一気呵成にやらざるえないのだから。

他の人の様子に比べて、だいぶ自分の担当箇所についてはシンプルにやっているのだけど、それでも単純に物量に苦しむ。いやぁ……本当100人くらいにして欲しい。欲をいうなら50人くらいが限度ですよ…本当。

理屈の勉強と直感的な面白さ

評価については本書も含めて最近になってまた出版が増えているので、読み直す機会は多くある。

 

 

学習評価の話については読んでいてアンビバレントな気分になることがある。

それは「本の内容として理屈が自分にとって勉強になる」という気持ちと「でも、こういう形でがんじがらめにしたら授業が面白くないでしょ」という気持ちである。

理屈として非常に明晰であり、授業の構造がはっきりと分かるので勉強になるなぁと感心する一方で、シンプルに授業に対してチャーミングさを感じとれない……そういう例を目にすることが増えた感じがある。

まだ、きちんと整理できているわけではないので「どの本が」ということを名指しでいう気は無い。

でも、授業をやる身として、直感的に「これは面白いのかなぁ…?」という嗅覚は捨てないでおきたい。

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