久しぶりにICT教育ネタ。
ちょっと短めですが本の紹介です。
総覧的に使える一冊
この本のイメージは国語便覧のような感じである。
それぞれの事例について深く専門的に掘り下げるというよりも、教育のあらゆる場面に根を張り始めているICTと教育の関係性について、どうして今の状況が生まれているのかを見回せるような一冊だ。
だから、一つ一つの項目についてはそれほど長いページ数は割かれておらず、むしろ、ICTと教育に関わる場面の様々なことを取り上げて紹介し、各著者のちょっとしたコメントが寄せられている。
そのため、この本の対象としては「ICTを使い始めて使い方が軌道乗ってきたからこそ、どうして今ICTなのかを知りたい」というICT教育を探究し始めた先生にぴったりかも。
すぐに明日から使えるテクニックを……という色合いは、明治図書だけどない。
海外のICT事情の紹介は白眉
この本の一番の面白さは、海外のICT事情がコンパクトに紹介されている点です。
アメリカ、イギリス、フランス、韓国、中国、カナダと、割と馴染みのある国を中心に紹介されているだけに、日本との違いや各国の特色が出ているのがとても面白いところです。
ちなみに、欧米の事例で気になるのはデジタル・シティズンシップに関する話題ですが、本書でも国内の動向の紹介と、アメリカの動向でかなりガッツリと紹介され、韓国、カナダの事例でも「デジタル市民」という話題が触れられています。
なお、内容的にはどうしても
の内容を引用して紹介する形にはなっています。もちろん、それだけではなくてプラスアルファの情報もあるので興味ある方は確認してみるとよいかと思います。
ただ、デジタル・シティズンシップならば、こちらの方が当然ながら読むべき優先度は高いですね。
スキマ時間にサクサクと
色々なジャンルの話がサクサクと読める一冊です。どうしても出てくる情報が授業のやり方やツールの使い方ばかりである中、この本はある意味で異質です。
ただ、様々な領域の話をしっかりとカバーしているので、必ず授業改善の役に立つはずです。