日々の忙しさに追われながらも、自分のスキルを磨くことに真摯だからこそ、教えるという仕事ができるのだと思っている。
ただ、研修が様々な面で批判され、特に過重労働の原因としても指摘されるようになっている。自分も自分で好きなものを学びに行くことは全く苦痛ではないが、勤務校に用意された研修はほぼ間違いなく苦痛である(笑)。
ただ、どのような形であれ、学ばなければいけない。
一人で学ぶでは不十分で
研修の話をしたくなった理由はやっぱりこの本。
まんがで知るシリーズの最新作。今作も期待を上回る素晴らしい内容だった。
そして、これを読んで一番、考えたことは「自分一人で学んでいると言い張ってもダメだ」ということである。
教育は職員室の力が、学校の力が強くならなかったら、変化や成長を目指すことは非常に難しいのだ。
誰一人取り残さないために
研修の意義とは何かということを考えていると、自分のスキルアップだけを考えても仕方ないという気持ちになってくる。
自分も同じ学校に10年もいるので、いい加減、若手で好き勝手に仕事するという立場ではなくなってきているし、若手に仕事を引き継いで行く立場にある。
その時に、研修の位置づけを考えると、自分のスキルアップのためだけを考えていたらいけないのだろうなという気がしている。
自分だけが学ぶのであれば、自分で学びに行けばいいのである。自分が仕事を始めた10年前に比べて、圧倒的に教員同士のコミュニティに所属するハードルは下がった。チャンスはどこにでも転がっている。
しかし、それでも職員室の力はそう簡単には上がっていかない。校外の教員同士のコミュニティが強くなっただけでは、自分の現場はそう簡単には変化しない。
本当に自分の仕事場を向上させていくのであれば、一人の学びでは足りない。
普通の、職場で行われる研修で、どれだけの人と仕事ができるのか…そういうことなのだろうと思う。
本書も職員研修を一人のスーパーマンが解決するのではなく、普通の先生が地道の歩を進めることで解決していく。そういう広がっていく熱意や共感をちゃんと育てていくことが、職場で学ぶということなのだろう。
それは、色々な理由があって、学びの乗れない人たちも含めて、巻き込んでいく。
職員室の誰一人も取り残さないということなのだ。
学ぼう、いつまでも
嫌なことも多い仕事であるが、学ぶことでしか解決できないことがある。
本書のある言葉はいつまでも大切にしたい。
教師のスキルに子どもを合わせるのではなく
子どもの学びを見据えて教師が変わらないといけない
(中略)
なぜならば…私たちの仕事は教師という専門職だからです
歩みの大きさは差があってもいい。
一歩一歩、進もう。