ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

色々な色合いの違いを見ながら

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入試期間ということもあって、早出して午後には帰宅という生活が続いています。

そのおかげで一日の行動時間が伸びており、色々と本を読む時間があります。

たまたま本を読んでいて思ったことをざっくばらんに。

授業づくりを丁寧にと思うが…

当面の課題として、新年度からの授業をどういう方向で考えようかということがあります。

まあ……来年、どこにいるかよく分からないので、自分の居場所が決定するまで、それが中学なのか高校なのか分からんので、授業の方向性もへったくれもない気がしますが、中学だろうと高校だろうとやるべき基礎・基本は変わらないと……開き直る方向で…。

中学校 国語授業づくりの基礎・基本 学びに向かう力を育む環境づくり (シリーズ国語授業づくり)

中学校 国語授業づくりの基礎・基本 学びに向かう力を育む環境づくり (シリーズ国語授業づくり)

  • 作者: 安居 總子,甲斐 利恵子,日本国語教育学会
  • 出版社/メーカー: 東洋館出版社
  • 発売日: 2018/08/09
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

年末に読んだこの本も、中学校をメインとした本でありながら、小学校だろうと高校だろうと関係なく、大切にしなければいけない価値観があると感じた。(…もしかすると、そんなことよりもと言われてしまうことはあるかもしれないが。)

「基礎・基本」は簡単であることを意味しない。「基礎・基本」だからこそごまかしがきかない。

少なくとも、この本で述べられている「基礎・基本」とは、丁寧に生徒を見て、丁寧に授業を考えるということだ。ただ、その「丁寧」のレベルが、本当に厳しい。

どこまで頑張らなければならないのだろうと気が遠くなる部分もあるが……それはそれで頑張ろう。

シリーズ国語授業づくり

この「シリーズ国語授業づくり」は、限られた紙面でありながら、かなり丁寧に授業に対する心構えや技術が述べられているシリーズだ。

だから、この時間のある時期に、それぞれの本の、それぞれの項目について、色々と吟味しながら読み進めている。自分の授業と比較してみたり、シリーズを通して繰り返し出てくる価値観は何かということを考えたり……時間のある時にしかできない。

今も、昨年に発売になった3シリーズを読み比べながら、読み進めている。

中学校 古典 言語文化に親しむ (シリーズ国語授業づくり)

中学校 古典 言語文化に親しむ (シリーズ国語授業づくり)

 
中学校 説明文・論説文 (シリーズ国語授業づくり)

中学校 説明文・論説文 (シリーズ国語授業づくり)

  • 作者: 笠井正信,田中宏幸,中村純子,日本国語教育学会
  • 出版社/メーカー: 東洋館出版社
  • 発売日: 2018/12/07
  • メディア: 単行本
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中学校 文学 主体的・対話的に読み深める (シリーズ国語授業づくり)

中学校 文学 主体的・対話的に読み深める (シリーズ国語授業づくり)

  • 作者: 飯田 和明,上谷 順三郎,児玉 忠,日本国語教育学会
  • 出版社/メーカー: 東洋館出版社
  • 発売日: 2018/08/09
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

国語科教育の先行実践を踏まえながらも、新しい学習指導要領*1を意識した形になっている。

対象が「国語科の授業づくりで悩む先生」(宣伝文より)となっているように、一つ一つが読みやすい分量になっており、比較的「ノウハウ」を多く説明している印象である。

また、シリーズを通して、章立ては共通しており

第一章 … …の授業づくりのポイント
第二章 … …の授業づくりの基礎・基本

 1教材内容に、学習内容に関するQ&A

 2指導法、授業方法に関するQ&A

 3学習指導要領に関するQ&A

 4学習者理解、学習過程の評価に関するQ&A

第三章 … 単元展開例

となっている。

これは「中学校は」全分野を教える*2ので、シリーズ3冊をまとめて読むことになる可能性が高いことを考えると、読者に優しい。

微妙に違う授業観

そんな「シリーズ」であるのだが、内容をよくよく読んでみると、微妙に価値観に差があることが感じられる。

もちろん、書き手が異なるのだから、授業に対する価値観や大切にするもの、優先度に違いがみられても当たり前である。……が、割と大きな違いが感じられる部分もある。

例えば、上で紹介した章立てであるが、特に第2章の「1教材内容に、学習内容に関するQ&A」「2指導法、授業方法に関するQ&A」「3学習指導要領に関するQ&A」「4学習者理解、学習過程の評価に関するQ&A」の割合がかなり各本で異なっている。

「教材内容、学習内容」を手厚くしているものもあれば、「学習指導要領」についての解説を手厚くしているものもある。

微妙な違いなのだが……分野ごとに教えることの力点の違いが感じられるようで面白いところである。この微妙な考え方の違いを、中学校の授業者は、自分の中で折り合いをつけて、何を教えるかのバランスを取っていくことになる。

面白ネタだけではやってられない

授業者が悩むのは授業のノウハウそのものだけではなく、むしろ、一年間なり三年間なり六年間なりを見通して、「教え続ける」ことそのものに苦しむのである。

生徒の興味を惹くような面白いネタを単発的に行うことは、少しの努力によって成し遂げることは出来るし、新しい試みも頑張れば実践自体は出来る。

しかし、普通のことを、ある程度実績のあることを、当たり前に実践し続けることが苦しいのだ。例えば、大村はまの単元学習は、相当の資料の量もあれば研究成果もあれば類似する実践もある。しかし、「単元学習」を当たり前に、一年間やり続けられる人はどれだけいるだろうか、簡単な話ではない。それが三年、六年となっていけば、なおさらである。

だからこそ、「基礎・基本」として丁寧な実践をまずは心がけたいし、ちゃんと、国語科教育がやってきたことをもっとちゃんと知らないとダメだよなぁと思うのである。

国語教育総合事典

国語教育総合事典

 

この一冊だけでも、大量の理論と実践がある。定期的に盛り上がる話だってたいてい整理されている。

しかし……分厚すぎて読むのが大変で怠けて読まない自分がいる。

いやはや……思っていても実行が難しいものだ…。

*1:中学校の移行措置期間2018年度、すでに今年度からである。もう、既に新しい学習指導要領は動き出しているのである。3年後の高校生は、そういう状況で育ってきているということを、高校側はよく考えるべきだろう。高校は今年の4月から。だから色々と頭が痛いのである。

*2:嫌味である。高校の国語の免許も分野別に分かれていはいない。

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