こんなツイートをいただけた。
自分が今思っていることを100倍上手に、かつ、当たりを柔らかくして代弁していただいた感じ。
— ednotes (@ednotes2) 2020年4月5日
それと、ロカルノ先生のブログは平成後期~令和の教育史を構成する資料としても今後ますます大切な意味を持つことになりそう。
今更という思いを我慢できず https://t.co/nYZxKZ09pB
そんな大げさなことを言われてしまうと恐れ多いのだけど、せっかくなので歴史的な事件が起きていたので、いやらしく記録しておこうと思う。
多くの学校に危機が…
学校の外からは全く見えないところで、昨日の夕方から大変なことが起きていました。
それは……ベネッセの提供するオンラインの学習管理サービスであるClassiが完全に機能停止していたのである。
Classiは、2020年4月5日15:00頃からつながりにくくなり、同日17:15以降、予期しない事象が発生したため、緊急でサイトの運用を停止し、調査・対応を行っておりますが、早期のサービス再開を図るため、以下の機能より運用を再開いたしました。
原因については引き続き調査を行って参ります。
なんと昨日の17時過ぎごろから本日の19時ごろまで、完全にClassiが機能停止してしまっていたのである。「予期しない事象」ってなんだよ……。
24時間以上、機能が停止するというめったにないような大事件が起こっていたのである。
そしてこのClassiが停止することによってどの位の影響があるかと言えば……
全国の高校の50%以上、高校生の3人に1人が利用! 教育プラットフォーム「Classi」の利用者数が116万人を突破
Classi株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:山﨑 昌樹、以下Classi)は、2019年5月時点で、全国の高等学校(中高一貫校を含む)における教育プラットフォーム「Classi(クラッシー)」の利用者数が116万人、導入校数が2,500校を突破したことを発表いたします。
(教育プラットフォーム「Classi」の利用者数が116万人を突破 | Classi(クラッシー) - 新しい学びが広がる未来の教育プラットフォームを創る)より引用(2020/04/06 20:30確認)
つまり、全国の半分近い学校がこの事故に巻き込まれ、影響を受けたと言えるのである。
タイミング的には最悪
この事故が普通の時期の事故であれば、まあ…学校の中だけで「またやってくれたよ」くらいの愚痴で済むのであるが、このタイミングでの利用不可能は非常に学校にとっては大打撃があったと思われる。
それこそ明日から学校を開校できないというような瀬戸際の連絡を生徒にしなければいけないという学校が少なからずあったはずである。Classiには生徒と保護者に同時に連絡を配信する機能が備わっているので、Classiで情報共有をしようとした学校はかなり多かったのではないか。
にもかかわらず、完全に本日の業務の終了時間を遙かに過ぎるまでClassiは復旧しなかったのである。
これによって、連絡すべきことが連絡できない……というような大混乱が一部に生じていたようである。試しにTwitterで検索してみると……よく分かるのです。
このような緊急事態に連絡するための手段として期待して導入している学校は少なからずあるのに関わらず、このタイミングでの障害はあまりに期待外れである。
インフラの自覚がないサービスは選択しちゃダメです https://t.co/1u4vH0upvd
— 豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) (@stoyofuku) 2020年4月6日
この言葉が強く刺さります。
あくまで想像に過ぎませんが、このコロナ騒動のために普段では考えられないくらいのサービス利用があったせいで、ついに限界が来てしまったのではないか。利用者が多く同時に使ったら機能しなくなる……そんなサービスあるのか…?
一つのサービスに頼りきりになる恐ろしさ
Classiはベネッセの関連会社のサービスであり、まあ、ベネッセのサービスの一つである。だからこそ、圧倒的な学校のシェアがあるし基本的に教員はおんぶに抱っこになっているのである。
どんな状況だからこそ、唯一と知ってもいい連絡手段がぶった切られてしまったときに身動きが取れなくなってしまった学校はあるのではないか。生徒と家庭にかけた不安と迷惑が日常とは一線を画しているように思う。明日の登校はあるのか、入学式は行えるのか……など、今すぐにでも情報が欲しいのに、延々と「メンテナンス中です」と表示されることに対する怒り……で、そういうものは得てして学校へのお叱りの電話になるということも併せて申し上げておきます。
まあ、リスクマネジメントとして、Classiだけにおんぶに抱っこになって、その他の手段を報知していることに問題があるとも言えるが……。
今の時代、生徒への連絡をとる手段はClassiに限らず、本気で調べればいくらでも出てくる。
今後、同じような状況が起こる可能性がある(そもそも全部復旧している訳ではない)のだから、他の手段の準備も必要でしょう。
ハッキリ言ってしまえば、Google for Educationを導入しておけば、Classi自体も必要なくなるし、安定性だって抜群である。二つ持っていたっていい。
できるGoogle for Education クラウド学習ツール実践ガイド できるシリーズ
- 作者:株式会社ストリートスマート,できるシリーズ編集部
- 発売日: 2019/10/03
- メディア: Kindle版
いずれにしても、このタイミングの、このClassiのやらかしはとてつもなく大きい。Classiに頼り切りになってしまっていることの怖さも感じることでしょう。
しかし、これをもって「だからオンラインは当てにならないんだ」って議論になってしまい、ますます学校からICTが毛嫌いされるのではないかという懸念である。ただでさえ、面倒と思われているのに、こんなトラブルまで起こるならはじめから電話と郵便で家庭に連絡するし、電話をかけないと信用ならない!みたいな非生産的な議論に戻りかねないのである。
学校のICT化の足をひっぱることにすらなりかねない、今回のトラブルは学校の外側から見ればあまり目立たないけど、かなりの大事だと思っていますよ。
こうしてブログにかいて忘れないように記録しておきます。