ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

ひとつひとつを丁寧に

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今年度は、よく考えると四月からバタバタとして決して落ち着いて授業は始まっていなかったなと思うのである。

活動を支えるもの

授業の中で、自立して充実した言語活動を実現するためには、その単元の単発の指導だけでは実現できないことは多い。身体性ともいうべき活動を支える生徒の自然な振る舞いが身についてこないと、活動自体の質も上がっていかない。

教科の学力に直結しない回りくどいと感じるようなことも多いものの、本気で生徒の自立した活動で教科の学びを深めて行こうと考えるのであれば、こういう点をちゃんと計画的に、我慢強く、長期的に指導していかなければいけないのだ。

本来であれば、自分一人の授業ではなくて多くの担当者で目指すべき姿を共有しながら、毎日、毎時間続けていくことで成果が加速化していくものだとは思う。なかなか、そういう体制を作ることは難しいので、せめて自分一人だけでも計画的に指導を考えなければ……と思うところである。

ついウッカリと…

余裕があるときは、そういうことを考えながら授業の計画を考えるのだが、今年はコロナの影響があって、学級閉鎖や分散登校やもう授業が規則的に普通に行える……という環境にはなかったので、そういうことを指導することが完全に後回しになってしまっていたのである。

生徒の振る舞いを見ていて、上手く展開していかないのは、そういう指導を行っていないからに他ならない。展開の悪さに腹を立てても仕方ないのに、自分の授業計画を棚上げして、腹が立ってくるものである。

しかし、冷静に生徒の活動の様子や指導の手順を戻って考えると、生徒の動きが途端に変化することを目の当たりにしていると、順序を守らないで成果ばかり焦って追いかけるのはろくな結果にならないのである。

それなのに、今年は授業が計画通りに開かれないものだから、つい最後の成果物を仕上げることばかりに意識が向いてしまい、活動を支える様々な要素を丁寧に授業で練習することを忘れてしまっていたなと、この時期になって改めて思うのである。

授業の時間の余裕…

この時期になってやっとこういうことを思い出したのは、授業数に少し余裕が出てきて、生徒の活動の時間に余裕を持たせるようにした結果、生徒の活動の質が少しずつ改善されていることを見たからである。

あぁ……そりゃあ、ちゃんと一つずつ時間をかけて練習していけば、成果が出るのだ。

生徒のために授業の時間を委ねて、一人一人が粘り強く学ぶ授業を行いたいと思うのであれば、やはり飛ばしてはならないことが多いのだ。

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