ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

学習課題を考える

今月の『教育科学国語教育』は「学習課題」特集。

教科書掲載の教材をこれだけ揃えて、授業アイデアをしっかりと解説してくれる本号は、すぐに使わないとしても必携の一冊になりそうです。

一つの教材につき、見開き一ページとボリュームは多くないものの、勘所を押さえているので教材研究のヒントが満載です。

「言葉による見方・考え方」にこだわる

本号の特集である「言葉による見方・考え方」は現行の学習指導要領の中心的な概念である。やっぱりこれが難しい。字面での理解はできているつもりだけど、教材や単元に落とし込むことにはかなり難しさを感じているところである。

個人的には高校の教科書がやっぱり読むことに偏っているなぁ…というところに苦戦している。

そういう意味だと本号の巻頭の解説の中村先生の記事は参考になる。非常にシンプルにポイントを絞って授業デザインの例を挙げているので、この流れに沿って実際に授業を作ってみるのが感覚をつかみやすいのだろうと思う。

また、それぞれの教材についての解説ページについても、質の程度に差があるとはいえ、提示されている問いや学習課題から自分のアレンジを考え始めれば良いと感じる。

その意味だと高校の教材についての言及がないのが残念。ページ数の関係と高校の教科書のバリエーションの多さを考えるとやや難しい理由もわかるけど、力のある高校の先生の実践を見る機会は多くないのでこういう機会に見られると嬉しいなぁ。

高校の必修科目である「現代の国語」と「言語文化」こそが「言葉による見方・考え方」をしっかりと考えるべきだろうと思うのである。自分の身の回りを見ているとどうしても「読むこと」ばかりに偏っており、新科目の良さを活かそうと思うのであれば「言葉による見方・考え方」をしっかりと考えて単元を考えなければいけないと思うのである。

実用的な文章が嫌われているけど…

高校の国語についていえば、各方面から「契約書などの実用的な文章を授業でやらせるなんて」という方向からかなり批判された。実用的な文章なんてやっていたら読解力は身につかない、底が浅くなるというような話は散々…。

ただ、色々と授業をやってきてみて感じることとしては、必要な目的に合わせて必要なことを狙ってやるのであれば、実用的な文章は「実用」なので、当然数も多いし、学ぶ実感にもつながりやすいので、活用するメリットは小さくない。もちろん、従来の「読むこと」のような精読型の授業には向かない。だけど、自分の発想を変えられるのであれば、チャンスは少なくないだろう。

もっと良い実践が広く出てきてくれたらいいなぁ。

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