ダラダラと年度最後の休みを満喫中です。
本日はこんな本を読みました。
皮肉なことにKindle版もあるのですが、これは、紙で買うしかないでしょ(笑)
本と床の緊張関係
自分は学校図書館である程度は資料を揃えてしまうので、紙の本はせいぜい月に20冊くらいしか本を買いませんし、小説なども多く買いますが、電子書籍で済ませることも多いし、捨てるときはあっさり捨てたり学級文庫に持っていったりしているので、一人暮らしの賃貸暮らしとはいえ、床抜けとは縁遠く生活しています。
ま…それでも一人暮らし5年で1200冊くらいは本を溜め込んだようなので、床が抜けることはないのだけど、そろそろ収納スペースに限界はあり、本棚に複数に重ねたり、ベッドの下に無理やり収納したり、そもそもしまうのが面倒になってすでにソファーの周囲に投げておいてあったりと、もう整理に限界を迎えつつあります。
実家に戻るとコミックや文庫本などがかなりありまして、それが二階に放置してあり、少し床がたわんでいるため、地震が来たら……。ま、大丈夫でしょう。
この本では経験談の取材や一級建築士の話などを紹介しており、本を捨てられない蔵書家にとって、床を抜かないための節度がどのレベルなのかということを示唆してくれています(笑)。
本を溜め込む人々の心理
しかし、この本の面白いところは、「本で床が抜ける」ということを面白おかしく紹介することにあるのではない。
この本の一番の面白さは「本を溜め込んでしまう人々の心理」について色々な角度から描いていることです。
ある人にとっての蔵書とは、その人の頭の中を写し取ったものであり、ある人にとっての蔵書は故人の遺品でその愛着を切り離すことが出来ないものであったり、ある人にとっての蔵書は思い切って電子化されて構わないものであったり……。
まさに「本」を巡ってその人の人生観が詳らかにされ、「本」を通じて色々な人々と結ばれる奇縁を感じさせられるものになっています。
最近はDANNSYARIなんて言ってバンバンとかさばるものは捨てられてしまうのですが、それになかなか馴染めない理由もこの本に描かれている「蔵書をめぐる人々の悲哀」のような物語を、自分の持ち物に何となく感じているからかもしれないですね。
もので自分の世界を確保して安心したいって話は『しきりの文化論』で喝破されている考え方でしたね。確か。
『本で床は抜けるのか』の中で何度か出てくる、「蔵書は頭の中を写し取ったもの」という考え方は、とても共感できるところです。
他人の蔵書事情が気になるところです(笑)
おそらく自分の周囲の人々は、相当の蔵書家が多いんじゃないかと思います。
おたくの床は大丈夫ですか?
そして、その蔵書で一体どんな物語を持っていますか?
ああ、そうか、この面白さはたぶん
ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)
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『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズと同じ面白さがあるんだなぁ。たぶん、このシリーズが好きな人ならば、楽しく読めるのではないでしょうか。