ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

「「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料」が出ています

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www.nier.go.jp

昨日、国立教育政策研究所からH29年度版学習指導要領に対応する「「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料」が公表されました。

新学習指導要領の実施は小学校は今年の四月から、中学校は来年からとなっているので、この資料はとても重要ですね。

長いので手短に押さえるなら…

真面目にこの資料を読もうとすると、独特の言い回しと細々とした注釈のせいでかなり心が折れる。読み慣れていないと何が大切なのかがよく分からなくなるだろう。

そこで、教育実習に行く人や新任の方に向けて、一ページだけ挙げるのであれば、以下のページをよく読むことをお勧めする。

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(「「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料」中学校編P.38)*1

一ページだけ挙げるのであれば、中学校編*2ではこのP.38であるが、出来ればP.37も併せて読んでおくのが良いでしょう。

なぜ、このページを薦めるかというと、この考え方が「学習指導案」の骨組みとして大切な部分になるからだ。

それぞれの単元の「目標」や「評価」をどのように決めるのか*3、どのような「評価規準」の言葉遣いをすればいいかなどが分かる。一応、この形式を理解して守ると、授業としては矛盾なく破綻のない計画を立てることが出来る仕組みにはなっている。

「学習指導案」については、それぞれの勤務先で「流派」があるから詳しくは実習に行ったり勤務先に赴任したりしてから教わればよいことであるけど、基本的に「指導と評価」がバラバラにならないように計画を立てることが学習指導案づくりでは大切である。

試しに何か単元をこのフォーマットの手順でいくつか書いてみると、授業の計画の勘所はだいぶ理解できるだろう。自分も学生の頃に書いては指導教員の先生にダメ出しされて整えていくうちに、授業の構造が分かるようになってきた。

そういうわけで、まず読むならばP.37-P.38だろうというのが自分の意見である。事例の方に飛びつきがちなんだけどね、実際。

評価の考え方は色々

もちろん、この資料だけが授業作りの考え方や評価の観点のあり方ではない。他にも色々な授業作りの考え方がある。例えば有名なところとしては

やはり「逆向き設計」は色々と影響が大きい。あ、新刊が出てますね。気づかなかった。

上の原著の翻訳はかなり物理的にも内容的にも重いので、このガイドブックがどんなものか楽しみですね。

ブルームタキソノミーの改訂版をさらに発展させたもの。

最近、「思考コード」という形でブルームタキソノミーは流行っている感じはあるが…(怪しい使い方していると思っていたり)。少し日本の教室と違う方面の考え方かもしれない。

同じようにあまり今の教室でなじみがないけど大切なのが

「インストラクショナルデザイン」ですね。

これもちゃんと勉強しないとなぁと思うのです。色々なものが一括してすっきり説明できる気がしています。

四月が始まる前に「目標」を考えてみよう

コロナ騒ぎがなかなか落ち着かないので、本当に再開できるか心配なところであるが、もうすぐ授業が始まるのである。

授業が始まってしまうと、なかなか理屈に戻ってゼロから考え直すということは難しくなってしまう。だから、こういう時期に「目標」というものをよく考えてみるともよいかもしれない。

一年間を通じて行き当たりばったりにならないように……。

*1:画像を小さくしているのは、資料自体を読みに行ってほしいのと、著作権的に引用の仕方がやや怪しい気がしたので…。

*2:実は小学校編でもP38と同じである。P.37についても同じ。

*3:思いつきではないのである

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