リーディング・ワークショップもあと数回で今回は終了である。まとまった時間を取っただけの価値はあるだろうか。
週に一度で行動は変わるか
現状は、カリキュラムを色々と調整して、やっと捻出して週に1回だけのRWである。正直、効果を上げるには間が開きすぎている感じはするし、中途半端な気持ちもある。しかし、色々なバランスを取るとこれが限界なのである。
ただ、週1のRWではあるのだが、それでも目に見えて図書室の貸し出し数は増えるし、教室で生徒が本について会話しているという風景が増えるのだ。数量的に明確な効果の検証をせよと言われると辛いが…。
ただ、RWを始めた頃の、なんだかそわそわとした雰囲気の読書と、自然にしーんとしている雰囲気のRWでは、かなり質的に読書が変わっているという感覚はある。
なぜ、初期にそわそわと落ち着かないのかといえば、読む本を選ぶのに手間がかかり、本を探す生徒の行動の音が雰囲気に微妙な影響を与える。本を読んでいても、なんだか所作が落ち着かないのだ。
それが、何度もRWをやっていると、少しずつ、自分の落ち着くポジションが見つかって、雰囲気が落ち着いてくる。
「あぁ…集中しているな」という雰囲気のもつ、確かな成長への手応えはある。
連休がかえって…
今回のRWは連休を挟んだために久しぶりの実施になったのだが、生徒に休みの間の読書の状況を聞いてみると、「そこそこ読んだ」という生徒もいれば「一切、読めなかった」という生徒に分かれる。比較的、「一切、読めなかった」という生徒の方が多い。
これは、夏休みに、プロの教室であっても読書数が少なくなるという話からすれば、まあ…素人の自分がやれば仕方ないかなとも思うところがある。
The Reading Zone: How to Help Kids Become Passionate, Skilled, Habitual, Critical Readers
- 作者:Atwell, Nancie,Merkel, Ann Atwell
- 発売日: 2016/11/16
- メディア: ペーパーバック
※連休中の読書量の話が出てきます。
普段が忙しいから休みの時くらいは読書を……とはならず、むしろ、もっと他の好きなことをするようである。それもそうか。
高校生の不読率の高さもよく分かる。
そう考えるとRWは週に1回でも、そこそこの数を確保すると、それなりに意味があることなのかなと思ったりもする。
学校の中心に読書を…
校舎の中心からも追い出されてしまっている、弊社の図書館。
せめて、生徒の心の中に、本があるということを知っていて欲しい。自分からアクセスする方法を知っていれば、いくらでも救われる可能性があるのだ。
だから、学校生活の中心に、図書室が少しでも近づいて欲しいな。