ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

見本を作ってみること

新しい授業の単元を作るときには、必ず「教師見本」を作ることを欠かせません。生徒に提示するかどうかは別としても、必ず自分が生徒に取り組んで欲しい言語活動を行い、見本を作ってみることが大切だと考えます。

時間が無いとサボりがちだが…

正直、時間が無い毎日を過ごしているときに、教師見本を作ってみるという作業は非常に手間である。

ただ、その手間を省いてしまうことで、授業や単元で一体自分が何を生徒に求めているのかということを行方不明にしてしまいがちである。

幸いにして国語科には偉大な先人である大村はまが、徹底して見本を作っていたことは有名なので、自分も大学で国語科教育を学ぶときに、当たり前にまずは自分がやってみるということは習慣として教えられている。

ちょうど、佐藤先生らの国語科の指導スキルについての本にもそのようなことが紹介されていましたね。

 

※この本は冊子自体は厚くないのに解説は非常に熱いです!

 

それでも、やっぱり忙しさに負けると、単元を始める前に教師見本を作ることをサボりがちになってしまう。

やってみないと指導していても、どこに力点を書けるべきか、何が力を付けるきっかけになっているのかという点を外しがちなのである。

見せるかどうかは別にしても

見本を作ってもそれを単元で生徒に見せるかは別問題である。体感的には見せて指導した方がよい場合も多いのだが、あえて見せることなくゼロから考えさせるということもよい場合もある。

ただ、限られた時間で、的確に教えたいことを焦点化して、適切に自己調整を促すためには、やはり見本は有効だろう。手元に見本を作って、それを使って指導することをしたことがない人には是非試して欲しいことの一つだ。

ICTについても同じことは言える。

実際に生徒に身につけて欲しい力をよく考えて、その可能性を見せるために、実際に教員が使ってみせることで、アナログでは出来ない幅を理解して、子どもたちの創造力を刺激できるのである。

自主性で放任するだけでは、普通の単元だろうとICTだろうと上手くいかないのである。勘所は自分でやってみて体感して鍛えていくものだから。

どれだけ豊富な言語活動をしているのかということは常に試される。国語科の教員とは毎日の言葉の使い方一つをとっても、学びのチャンスが転がっているのである。地味ながらも積み重ねである。

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