二週間ぶりのオフなのでひたすら読書。というか消化。
明日は二週間ぶりのリーディング・ワークショップなのでそれに向けても自分の読書を点検しているという感覚です。
そんな読書ですが自分は本そのものでの読書はもちろん、電子書籍も比較的ヘビーユーザーです。
ショップからの購入はもちろん自炊してデータを持ち歩くような使い方もしています。たとえば『大村はま国語教室』とか……*1。
しかし、教室の中にkindleなどの電子書籍が一般的に持ち込まれる……という様子はまだない。もちろん、デジタル教科書などは話題になっているけど電子書籍で読書という話は出てこない。生徒一人一人がタブレットを一人一台持つようになれば、比較的簡単に電子書籍を読めるようになるとは思うのだけど、読書指導に電子書籍は使われるようになるのだろうか?
個人的な感触
自分は「電子書籍は本じゃない」とか「電子書籍は本の良さを殺している」とかいうような「紙の本原理主義者」のような過激な立場の人間ではない。むしろ、つまらない本ほど電子書籍で消化してしまいたいし、もう長いことkindleを愛用している。
タブレットでの読書は文字はつらいから漫画や雑誌くらいかなぁ…とは思うけど、電子ペーパーの電子書籍ならば目がきついなどはあまり感じない。
一方で紙の本のほうがやはり買う割合は多い。
理由としては、単純に発売日に電子書籍が発売されないということが大きいが、特に授業のネタとして使う場合、電子書籍は扱いにくい。
例えば、付箋を貼ったページを参照したり、複数のページを読み比べたり、参照しておきたいページをコピーしておくなどの使い方ができないのが地味に使い心地が悪い。もちろん、kindleはハイライト機能があるので気になった表現はネット上でまとめて参照できるのだが、結局、ハイライトはハイライト部分しか参照できないし本体と連動していないから前後の文脈が確認できなかったりと使い心地が悪い。
さらに、「読み返す」ということが絶望的に面倒くさい。もちろん、気の利いた電子書籍ならリンクが張られているのでタップ一つで参照できるので非常に便利なんだが、ほとんどはそうじゃない。
そんな条件を数え上げていくと、結局kindleで読む本は「軽い気持ちで読める本」に偏っていくのである。言い換えれば「どうせあとから処分する本」に偏るのである。だから、結果的にkindleは新書とラノベの専用機としての側面が強い(笑)
読書教育との関係で
上田祐二先生は次の本の中でマルチメディアと読書教育の関係の中で電子書籍について触れている(PP.216-240)。
この論考の中で電子書籍をめぐる論考の参考書籍が結構な数挙げられているので、あとで一つずつ追いかけないとなぁとは思う。
この本の中で上田先生の論旨としては本の電子化に伴って、情報の信頼性が変わってきていることや読書という行為が個人のものではなくソーシャルなものへ変化していることを踏まえ、「本」とは何か「読む」とは何かを問い直すことが必要な時期にあると述べている。
直接、電子書籍が良いとも悪いとも言っていないが、電子書籍で読むという行為で「本を読む」という行為が変化しているという指摘は面白い。
電子書籍の話題は『Reading Zone』の中でもコラムの中で電子書籍は話題になっている。
The Reading Zone: How to Help Kids Become Passionate, Skilled, Habitual, Critical Readers
- 作者: Nancie Atwell,Ann Atwell Merkel
- 出版社/メーカー: Scholastic Prof Book Div
- 発売日: 2016/11/16
- メディア: ペーパーバック
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このコラムによると子どもたちが電子書籍をワークショップの中で使ってみても、結局、紙の本に戻っているということを話している。
子どもたちにとって、実物の本があることの意味が大きいことを、子どもたちの感想としてを紹介しながらも、電子書籍が理解度が紙の本よりも下がるという研究を紹介して論じているのは流石だなぁと思いました。
自分の感覚としても、重いんだけど本を持って歩く喜びのようなことは、読書を習慣として続ける要因にはなっているよなぁとは思う。
電子書籍を教室に持ち込むことをどう思う?
まあ、雑多な紹介になりましたが電子書籍を生徒に読ませることをどう思いますか?
*1:ただ、kindleは要領が少ないのと画面が小さいので自炊向きではないとつくづく思う。Kindle Paperwhite 32GB、マンガモデルがベターなのかとも思うが…