選挙も終わり、授業でも少し政治の話をする機会があり、この教材のことを思い出す。
とても面白い一冊なので、是非とも多くの人に手に取って欲しいものであるが、手に取っても授業での実現がかなり難しいという感触も持っている。この本も割とそうそうに政治家を教室に招くようなことが書かれているので、まあ、難しい。
この本の書評を書けないでいるのが、自分の授業のイメージと態度を決めかねているからなのだ。
対話することから
正面切ってのシティズンシップ教育については、自分には手札がない。色々な議論を論文などで追いかけることは、次の学習指導要領からは「公共」が入ることもあってしているのだけど、それだけでは自分の中にシティズンシップ教育の感覚がつかめない。
だから、自分の分かるフィールドで苦闘するしかないなと思うのである。
哲学対話については、多少の知恵と経験があるので、何か出来るだろうと、ほんのさわりだけ授業でやる。
まあ…本来は焦らずに時間をかけて息長く実践するべきものなので、投げ込みで出来るものでもないのだけど……。場づくりや身体性などはある程度整っている場所だからこそ、対話の経験の価値はあるだろうという、授業者の贔屓目である。
自分には公共の授業がどうなるのか、見当が付かない。教科連携して生徒の民主主義に向き合う力を育てなければいけないのだろうなと危機感だけが、何となくあるのが現状だ。
こういう記事を見ると、学校の責任や自分の職業としての責任を思うのだ。