こんな記事を見かけた。
有料記事なので内容について紹介するのは避けるけど、趣旨としては職務を行う上で教員が自腹で何かを用意することがあることについての問題を論じている記事である。
自分も教職員として学校で働いているので、そのような経験は一度や二度ではない。
幸いにして、何か職務上の義務で行ったことなのに過失があって弁償させられた…みたいな経験は無いけど、自分でついついお金を出してしまうことは大いにある。
この本の紹介記事になっている模様。この本は気になるので買ってみようかな、自腹で。
授業の教材費、部活動の審判資格取得費用、家庭訪問の交通費、徴収金未納の立替……うやむやになってきた教職員の自己負担
採点用の文房具、授業のための教材、部活動の審判資格取得費用、大会への交通費、家庭訪問時のガソリン代、各家庭の徴収金未納の立て替え、物品破損の弁償――。教職員が仕事をする上で、必要なものを私費で負担する「自腹」。それは、人や学校により差はあるものの、金額の大小や費目・場面を問わず、これまでも確実に存在し、関係者間では周知の事実でした。
「自腹発生」の背景には、法制度上のマクロな理由に加え、「教育は生もの」という、常に柔軟さが必要とされる学校という場ならではの性質、もしくは各教職員側の意識や各学校の風土などのミクロな理由も複雑に絡み合っています。
本書は、その現状をありのままに映し出し、共有し、教職員が働きやすい公立学校を展望することを目的としています。
なるほど。こういう内容ならばかなり気になりますね。
快適に仕事をしたいので
学校という場は色々と緩い。よく言えば教員の裁量を認めてくれているとも言える。
だから、よい仕事をしようと思ったら、自分で欲しい道具を揃えて比較的、自由に使うことが出来る。
裏を返すと、そういう方法をしてしまっているから、「あった方が良い」というレベルのものについては、何となく教員が自腹を切って自分が欲しいなら揃えれば?という雰囲気にはなりがちなのだろうと思う。
まあ、善し悪しだなぁというのが当事者としてはぼんやりと思うところ。たぶん、一般企業の人からすればあり得ないと思われる感覚なのだろうと思う。
勤務校は私立であるので、比較的、欲しいものについては予算内できちんと請求できるものであれば、正規の手続きで買うことは可能であるし、できるだけそういう方法を取っているけど、まあ…その手続きすら面倒なケースも多くありましてね……。ズルズルとした仕事の仕方であるとは思う。
そういう仕事の仕方なので、7年前のこの記事が未だにアクセス数が多いのである。
過度に自腹を請求されないならば、なんとなくグレーにしておきたいという本音。
無限にお金はないので…
積極的に金を使いたいわけではない。
しかし、全てのものに対してお金を請求していることも無理である。例えば、授業研究のために資料を買うことだってハードルが高い。1つの単元で終わりになるような資料には職場だって簡単に出金できない。
だからといって自分で必要なものを買い続けることは出来ないのである。自分の懐事情だって厳しい。
本当は、学校自体にゆとりのある資金があればいいのでしょうけどね。どこもお金には厳しく向き合っている中で、学校だけ特別になることはないでしょう。
一つの解決策は、教員が自分の仕事の範囲をもう少し手放していくことなのだろうと思う。自分でやらずにもっと色々な人を巻き込んで向き合って行く、そういう方向性なのだろうと思う。