なかなか前途多難な初発の感想を読んでいただけに、本文の読解に入れるか不安だったが……。
反応の鈍さに不安になる
語彙の難しさや自分たちの興味関心とは遠いから、非常に読むのは生徒にとっては、まあしんどいのである。
結局、三年前からあまり進歩はしていないのである。とにかく単元の初め、生徒と文章が出会う瞬間をどうするかに苦心して、いまだによい方法が思いつかないでいる。今回も、やっぱり面白くないものを読まされたというような感じで始まてしまったので、どうにもこうにも……出てくる感想が重苦しい。
スタートで初発の感想がグダグダになってしまうと、もうこの先どうしたらいいんだろうという気持ちになるのである。想定しているつもりで、きちんとこの先の道筋でどうにかしていく勝算があるつもりで単元を作ってはいるが、それでも生徒の反応の鈍さを見ていると気が重くなるのである。
それでも読めるようになる
そんなしんどい気分の中で始めた今日の授業であるが、今回もやはり基本的に、何を読み深めるかは生徒の選択に委ねたい。
自分で選択して、読みたいものを決めて、その上でちゃんと授業の時間を使って自分の考えを作り、ちゃんと誰かに伝えるという経験をしてもらいた。その上で、そういう営みがとても面白い作業なのだということが伝わってほしい。
だからこそ、しんどいとは思いつつも、生徒から集めた初発の感想を、自分の方で上手く編集して生徒に手渡した。
どんな反応で読んでくれるか……それだけが楽しみで、何枚もある生徒の感想を一枚ずつ改めて、その上で整理して、編集して手渡す。
それだけに、どのような反応を生徒がしてくれるかが楽しみであり、不安である。
今日はその目論見は……成功である。生徒が他人の感想や疑問に興味を持って読んでくれたのである。自分たち、一つ一つは、感想の耐えられない軽さともいうような状況で泣きそうだったけど、ちゃんと生徒の一つ一つの感想を精査して、まとめていくと、これだけ読みごたえがあるものになるのだと、だからこそ、他人とこれから色々と議論していくことが楽しいのだと、伝わってくれるならいいなぁ……。
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小説を読むことも楽しい。でも、それ以上に、一つ一つの議論を丁寧にすることや、ものを考えることが楽しいのだと伝わってほしい。