ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

生徒との距離

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八月だというのに生徒も教員も元気に学校に集合中……授業をしているのですよ、遊んでいるのではない。今週で終了ですが、三者面談をしながらの授業数確保の施策である。結果的に、どちらもドタバタとしてしまい忙しく中途半端とも言える。引き算で質を高めるという選択肢はない。

三者面談……

そんなわけで、短い夏休みを有効に過ごさせようというパターナリズム全開のイベントを消化しています。

正直、三者面談で個別に接触するリスクを挙げるくらいならば、一度に学級懇談会でお話をした方がよい気もしている。しかも、オンラインで!!個別に追い込んでもなぁ……それは今の時期必要な面倒見なのかは疑問である。保護者と話す必要性は感じていますけどね。

いや、別に三者面談でボロクソ言いたいわけではない。そんな面談はいくらなんでも時代錯誤だろう。来ていただくのだから気持ちよく帰っていただきたい。

三者面談の準備は土日の連休(休みとは…)に行ったので、あとはお迎えするだけなのだが、考えてみると面談の仕方なんて誰にも教わっていない。自分はたまたま前職が塾講師なので塾のマニュアルから学んだところは大いにあるけど、新しく担任になっている先生はどうしているのだろう?

「大丈夫?」と聞いてみたけど、「問題ない」と言われたので……まあ、大丈夫なのだろう。

自分は、学校に保護者を呼び立てる以上は、それなりのお土産を持って帰ってもらわないと失礼だと思っている。よく保護者に話してもらい、ガス抜きが出来れば良いみたいな言い方をする先生もいるんだが……いやいや、平日の真っ昼間に学校に来るって、保護者は有給を使ってますからね。そんな失礼な話が合ったらダメでしょうと思うのです。

自分の場合は、ひたすら受験資料を作る。まあ、塾講師時代からの趣味みたいなものですね。

とてもじゃないが15分くらいで、満足できる情報提供は難しいので、ひたすら資料に詰め込む…というタイプである。話すことを整理しろよと言われるとちょっと弱い。

三者面談での立ち位置が難しい

三者面談となると、生徒本人も目の前にいる状態での会話になる。生徒も保護者のいる前だと、いつもと違う様子を見せるので、なかなか緊張感がある。

基本的には円満に終わることがほとんど(というか、円満になるように下準備しないで面談に臨むのが暴挙である)だが、時々、ここぞとばかりに保護者が生徒にいいたいことをどんどんと言い始めることがある。担任の威を借りる…なんていうと失礼だが、生徒は保護者に強気でも担任には弱気な面もあるので、借りてきた猫のように……しゅんとなって話を聞いていることもあり……。

まあ、勉強の話はナイーブである。

こういう時に、担任としてはどの立ち位置で話を聞けば良いのだろうと悩むこともある。たいてい、保護者が生徒に厳しくいうことは、生徒のことを一番よく見ているだけに大抵正しい。ウンウンとうなずきながら聞いていても良いのだけど、あまり責められすぎてもかわいそうな気もする(こともなきにしもあらず)ので、助け船を出そうかと思ったりするが、話を聞けば聞くほど保護者が正しい(笑)。

あまりに理不尽ならば間に割って入ることも必要なのだが、それがかえって火に油を注ぐことにもなるので、その場の呼吸が重要だな……と。

まあ、正直が一番です。

普段の学校での生徒との距離感は、自分は「つかず離れず」くらいでいいかなと思っている。積極的にクラスの傍観者でいるという気持ちである。クラスの集団をどうしたいかは大人の決めることではない、生徒たちが決めれば良い。必要なときに必要な介入をすれば良いのである。

そういう立場だから、ドライな関係のクラスになりやすいと思っているのだが…。それはともかく、保護者が来ると普段の距離感とは違う距離感になってなんだか不思議である。

一体、面談をどうしたらいいのかは、よく分からない。生徒面談については

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のような方法を真似るだけでもだいぶ色々と参考になる。

しかし、保護者が来ると、やっぱり事情が変わる。微妙な生徒のバツの悪そうな表情を眺めながら、何を話そうといつも考えて、迷うのである。

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