この週の後半には私立のめぼしいところの合否が開き始める。
そして、いよいよ国公立の二次の一週間前になるので、追い込みに色めき立つ時期である。
泣いても笑っても受験のヤマ場はあと一週間である。後期入試が三月の中旬には残っているけど、精神的には前期入試で力尽きてしまう場合が多いので、この時期の最後の追い込みが非常に重要になるだろう。
今の高校の慣例として卒業式は三月一日である。だから受験の結果よりも卒業の方が先に来る。
なかなか気持ちの切り替えが難しい時期にやってくるものだ。
三月の卒業式だというと、暦の上ではなんだか春めきたつ時期のように感じるのだが、やっぱり実際はまだ真冬に近いような気温である。それと同じように、受験という精神的な枷が外れないと、卒業式と言われてもなかなかそこに集中できないだろうなと思う。
予想以上にコロナの状況が落ち着かない。
今年の高校三年生は、コロナの直撃を受けてまともに行事をこなせた学校の方が少ないのではないだろうか。一体、高校生活とは何だったのかということに、簡単には答えが出せないような高校生活だったのではないだろうかと思う。
こうしてふり返ると、失われた三ヶ月をもっと丁寧に学校という空間で過ごせていたら、変わることはあったのかもしれないと思う。
過ぎてしまったものは取り返せない。
遠く離れたときに、何となく、ああ、こういうことだったのかと形が見えるようになるだけだ。今は流れていくしかないのだ。