考査が近づいてきて、単元のまとめに入ることになるのである。
四月から衝撃的なダメージを受けて、そこから立ち直ってコツコツとやってきた生徒たちの考えを拾って整理するという一仕事。
露骨に差が出る
一番初めの単元だからこそ、手順だけは明示して、方法や負荷は生徒たちに選ばせてやってみた。全員を底上げながら達成することも大切だが、初めて教える生徒たちの持っている力を見取るためにも、まずはやらせてみた。
一を聞いて十を知るほどに、勘が良いわけではないので、実際にやらせてみて愚直に生徒の興味関心と今持つ力を読み取るしかなかった。
たった7回くらいの授業であるし、細々とした連絡や前後の授業の影響で、実質的な授業時間の短さではあるが、大福帳へのコメントの書きぶりもまちまちだし、ノートへの記録の取り方、復習の仕方もまちまちである。
そのまちまちの違いが、7回も積み重なると大きな違いになる。
単元の最後に彼らのバラバラの知識をすくいあげて整理して見せると、コツコツと自分なりに粘っていた生徒には助けになるが、フリーライドしてきた生徒には何のプラスにもならない。
露骨に差が出るのだな……と、分かっていたけどこういう差を埋めていくことが、これからの自分の奮闘になるのだろう。
ようこそ,一人ひとりをいかす教室へ: 「違い」を力に変える学び方・教え方
- 作者: キャロル・アントムリンソン,Carol Ann Tomlinson,山崎敬人,山元隆春,吉田新一郎
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まずは、お互いで活動していくために核となれる生徒のモチベーションを高めつつ、活動の質をあげていく。
また、苦手であっても一つ一つを取り組むことが楽しいと思えるような設計を考えなければ。
成長を振り返らせながら
鍛えるべき能力と今、使うべき能力が一致しているので、成長しているのだか停滞しているのだかがなかなか生徒にとっては難しいのが国語である。
授業の中で声に出して表現し、他の誰かに受け止められ、自分でもう一度考え直してということを繰り返していく中で、必ず、自分の言葉は増えていく。
その牛歩な歩みを成長であると納得してもらいながら、一緒に楽しんで授業をしていくのである。
さて、最後のまとめとして、意見らしきものを書かせてみよう。これも挑戦である。生徒の書きがちなパターンを尽く先回りしてダメ出ししてあるから、さて……どんな文章をひねり出してくるかな。
そして、一つに伝えられる意見の手札の少なさを実感しつつ、これからの学びに期待してもらえればいいな。