考査後に授業がないクラスがある中、余るほどに授業があるクラスがある。正直、何をするか困っているのである。
一学期のアディショナルタイム
授業がなぁ……全然なかった一学期。一学期の中でオリエンや考査の返却や公欠で開店休業などを除くと、10回くらいしかまともに授業していない。10回といってもまとまって10回あるのではなく、細切れであるから……本当……困った。
そのクセ、考査が明けた後に4回も授業があるというでたらめなバランスである(怒)。
授業がないクラスもあるので、単元をむやみに勧めることは出来ないので、この残り回数は少し普段の授業では出来ないような、実験的なことをやりたいと思うのである。気も漫ろになる時期である。一回一回で色々なことに触れてもらいたい。
自分自身もやっと少しだけまとまって時間をもらえるので色々とやりたいという気持ちが出てきている。
特に本当はリーディング・ワークショップやライティング・ワークショップをやりたい気持ちがある。生徒の様子を見ていると、国語の授業で読む時間と書く時間を十分に確保しないと、いつまでも読んだり書いたりすることの楽しさに気づけないで、苦行な受験勉強が続くだけになる気がしている。
能力を伸ばすことは普段から地道に続けていることだけだが、それだけでは息が詰まる。自分の持っている能力と興味・関心に拠って、自分の読み・書きに楽しみ、浸る時間を作ってあげたいのである。
本来、表現は楽しい、喜びにつながるものなのだから。
少しのことに楽しみがある
表現は喜びなのだということを、つくづく思わされる。
期末の単元の課題として、三角ロジックや対比を使って一つ何か文章を書こうという課題を課しているが、生徒たち自身の好きなことを掘り下げさせる方向で取り組ませている。
ちょっと大げさに言えば、ライティング・ワークショップのショートバージョンである。生徒に何を書きたいかは委ねつつ、書き方をミニ・レッスンしたり一人一人の記述にカンファランスしたりしている。
ライティング・ワークショップ―「書く」ことが好きになる教え方・学び方 (シリーズ・ワークショップで学ぶ)
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なかなか時間もなくてしんどいのだが、自分にも書けることがあるという手応えや自分の好きなことを表現することは、よほど生徒には楽しいようである。非常に生徒のリアクションや振り返りの記述の充実度が違う。
もちろん、生徒の書きたいことを好き勝手にやらせていても、すぐに行き詰るので、色々と横から口出ししていくことになります。いずれにしてもまとまった量を表現として出してみないことには、自分が何ができるのか、何が足りないのか、分からないものであるし、量を書いていく中で上達していくこともある。
語彙は結局、読んだり書いたりしないと身につかないし。
好きなことでいいから、やはり書きたいと思って書くことに時間を割いてほしいなぁ。
少しノビノビと語る時間を…
そんな思いもあって、残り時間は少し緩やかに楽しく書くということに取り組んで欲しいなぁと思ったりしてます。今朝、こんなツイートを見つけて一層に。
大学生に「高校時代に国語の授業で物語や詩を書いた経験があるか」と訊いて「ある」と答えた学生に出会ったことがほぼない。今日の高校国語教育において「ものがたる」という言語活動は絶望的に欠落しているようだ。もったいない。それは生徒たちの秘めたる可能性にたくさん出会える契機なのに。 https://t.co/IEw9OWEpmC
— 八木雄一郎 (@yagi_yu_chaaan) 2019年7月1日
時間がある訳ではないので、小さく、詩を書く……そんなことをやれればいいなぁ。
詩をしっかり書くのはかなり難しいので、小さなハードルで……物語る楽しみを感じて夏休みに入ってもらえれば。