ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

モデルチェンジを迫られている

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学校再開に向けての議論が毎日加速している感じがある。学校にも例のマスクが届いて現物を拝見させてもらったりしましたが……。

どうやら色々と話を聞くと、多くの学校は全員は登校させないで、分割して少しずつ様子を見て……ということになるみたいだ。安全確保の問題も大きいが、学力保障の問題も大きい。どこで折り合いをつけられるのか……

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授業は変わらざるを得ない

学校が再開したところで、数十人で一斉の授業するという光景はしばらくは戻ってこないだろう。上の記事を読むと

教室内の児童生徒同士の距離については、これまで目安として1~2mとされていたが、感染レベルに応じてさらに具体的に明示する。最も感染レベルが低いレベル1の場合、通常の40人学級での授業再開が可能になる見通し。

と、なかなか恐ろしいことが書いてあるが、実際問題、首都圏の状況ではそうそう簡単には通常運転とは行かないだろうなと思われる。そもそも生徒が通ってこない可能性もある……そういう生徒を無視する訳にもいかないだろう。

コロナと共に暮らす時代になる以上、どこかでリスクを負いながら学校も動かしていかなければいけない。とはいえ、この今の現状であれば、心理的に不安感を持つご家庭や生徒を支援していく手はずを整えるのは必要なことだろう。安心も欲しいし学力も保障して欲しい……それの何がわがままなのだ?

遅々として進まないオンライン化とはいえ、休校からの再開で、多少、もしかしたら公式IDを渡すことや機材の指導などを行うことで、やれることの手札を増やすことは十分に可能かもしれない。

無論、道具だけ形を整えても、本質的には授業の方法を考えなければいけない。これまでのようなただ一斉授業するだけでは、オンライン授業とオフライン授業を同時に行い、同じような学力保障をすることは難しいだろうし、そもそも一日中、学校に来ているのに何も友達と会話もろくに出来ないで、協働もできないような授業だったら、自宅学習と何も違いが無いのである。

ICT機器を上手く使えば、オンラインで協働だって可能になる。同じ教室にいながら、お互いに安全なマージンを取りながら、オンライン会議する……みたいなことだって十分の起こりえるし、そういう工夫だってやらなければいけないかもしれない。Wi-Fiも何もないとどうにもこうにも……だけど。

一番最悪なのは、一斉授業をライブ配信さえすれば、教室にいない生徒といる生徒に何も差が生まれないと強弁して、何も工夫しないことだ。

面白いことは出来そう

色々なものが変わっていくことは、準備する側としては非常に大変である。しかし、比較的、休校で時間があるのだから、今ある手持ちのカードでどれだけの戦い方が出来るかを考えるのも、プロフェッショナルを標榜するならやるべきことだろう。

実際、学校再開後に、生徒が実際の教室と、教室の外で繋がって同時刻に授業する……ということで、新しいことが色々と出来そうで楽しみでもある。

……最終的には学級のような学校のためだけの仕組みが溶けていく可能性はあるよね。学級という単位を考えるから教室のサイズやどう登校させるかということが問題になるけど……学校に登校したら生徒が好きな時に好きな施設を使いつつ、好きな先生から指導をうけて……という方式になっていけば、様相はまた変わってくるだろうし。

現実問題として、そこまで自由になったら学ぶ力の無い子どもと学ぶ素地のある子で大きな乖離が生まれてしまいそうであるので、望ましくはない気はする。ただ、こういう状況だからこそ、「学級」という仕組みを解体してもよいのかもしれない。物理的に流動的にならざる得ないような、そんな気はする。

ところで教員の健康と安全は誰が?

ところで、せっかくの休校の解除に向けての話であるけど、教員の健康と安全は誰が保障してくれるのだろうか。基礎疾患のある教員が勤務を拒絶する権利はあるのかないのか。仕事だからやれと言って、重症化したときに誰が保障してくれるのだろうか。教員の家族の安全は?

もちろん、100%の安全は難しいので、結局はどこで折り合いをつけるかである。しかし、マスクだってやっと届いて消毒液なんてもちろん届かない状況で、コロナを出せば大炎上必至の学校を誰が守ってくれるのだろうか。

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