こうして並べてみると、コンセプトも内容も安定しているのは…以下略 pic.twitter.com/iemx3blBRB
— ロカルノ (@s_locarno) 2021年1月12日
最近、教育について語られる本が立て続けに出ている。
どれも少しずつ立場や狙いの違う本ではあるが、眺めてみると色々な立場からの教育言説があると言うことが分かる。
同じことを論じているはずなのだが…
三冊は全然、異なるコンセプトで書かれているので、本来は並べて比較しても仕方ないとは思うものの、結局、教育業界の激変を追いかけるようなテーマで、全体像を俯瞰しようとしている本なので、どうしても並べて比較して考えたくなってしまう。
並べて見ると分かるが、かなり立場には温度差があるかなあと思うのである。
『流行に踊る…』と『学校をイノベーションふる…』は宗教戦争になりかねん。
— ロカルノ (@s_locarno) 2021年1月12日
宗教戦争なんて言い方は揶揄ですけどね。ただ、ここまで温度差が大きいコンセプトの本が並ぶのは、この教育改革の混乱ぶりが現れているなぁと思っている。
個人的な好みはあるが、まあ…言わぬが花である。
明治図書の本は割とフラットですね。いや…自分が改革したい側にいるので、フラットに思うだけで、内容的には新しい教育と呼ばれるようなことに寄ってはいる。語り口も新しいことへの期待からは書かれている。
まあ…そうなると、『流行に踊る…』からはバッサリとやられそうだ。『学校をイノベーションする…』からすれば、「何が新しいの?」と言われそう。
まあ…難しいものです。
内容について少しだけ
よく燃えそうな内容になりそうなので、あまり深く言及しない。
ただ、『学校をイノベーションする…』にも『流行に踊る…』にも、あまり素直に「得心いった」という感じにはならないのですよね。正直に言えば、どちらも好みではない。
『学校をイノベーションする…』は読んでいると「そうじゃないんだがなぁ…」と思うことは大いにあるし、『流行に踊る…』の方は「そういう言い方はねぇ…」と思うところが大いにあるし、地に足が付いていないのも地に足が付きすぎているのも、日々、長期戦で子どもと向き合っている感覚からすると、なんだか的を射るという感じにならないのである。
何も分かっていない外野からやんややんやと言われるのもしんどいし、分かりすぎている人に身動きできないくらいに固められるのも息苦しい。
まあ…並べて読んでみるのが良いでしょう。
余談
かつてこういう本があった。
「続」の方は個人的には、フラットだった無印よりはちょっと強く立場が出すぎかな…と思うところが大いにあるのであまり好みではないのですが。
十年ごとくらいに、こういう本が出るということが、日本の教育の一つの象徴なのかもしれない。学習指導要領の改訂の前後や学力調査の前後に様々な立場からの教育論が語られ、議論が盛り上がり、注目が集まるのだが、だんだんと注目は薄れ、残されるのは日々、悪戦する現場だけ。
色々な言説を、できるだけたくさん飲み込み続けて、膨れ上がったのが今の学校かもしれないな、などと思うのである。