ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

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未来のマナビフェス レポート最終回 ラップアップセッション編

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長々と書いてきた未来のマナビフェスですが、今回で最終回です。

最後は大会副実行委員長の中原淳先生によるまとめです。

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ラップアップセッション 中原淳先生

開催できたことを振り返って

1日目キャンセルだったので、2日目にこない人が大量に出るのではないかと思っていた。

1日だけになってしまったのにこんなに多くの方が参加されてよかった。

マナビフェスは2030から始まっている。

2030年の教育を考えることは今から始めないと間に合わない。

→教育関係者は1年を1秒と考えよ。

2030年まであと12年。干支一回りあるのでまだまだに思えるかもしれないが……。

例えば、荒川静香がトリノオリンピックで金メダルを取ったのはいつ……?ライブドアショックはいつ……?すべて最近に思えるかもしれないが、2006年の12年前の出来事。2006年のことを考えると12年はあっという間だと感じられないだろうか*1

なぜ今から始めることが必要なのか

教育はいったん止められない

新しい教育を始めるからと言って、教員は休みをとって勉強するなんてことはできない。日々の仕事をしながら、同時並行で色々なやらなければいけないので時間がかかる。

教員の学び直しが必要

これまで自分がやってきたことを捨てるのは辛い。そして誰もやったことがないことをやらければならないのだから、ゼロから学び直すことも必要になる。

効果実感に遅効性がある

教育方法を変えたからといって、すぐに明日から結果が出るものでもない。じわじわと効いてくるものである。

どのようなことがポイントになるか

あえて専門用語を使わないで説明する

1リアル社会に備える

チームみんなで課題解決を行う、賢さの定義がいつの間にか変わっている。学生はまだ気づいていない。大学に入っても偏差値で競い合う大学生。

43.5%の学生は、高校の時も大学の時も将来のことを考えていない。調査結果を見ても高校のときの態度でほとんど決まってしまっていて大学生になっても変わらない。

大学生白書2018 ーいまの大学教育では学生を変えられないー

大学生白書2018 ーいまの大学教育では学生を変えられないー

 

しかも、大学での昨今の就職環境では、大学での勝負は「早く決まる」。イベントに参加したりインターンやアルバイトからそのまま社員になったりと、昔の就活のイメージとは変わって、人のつながりでの就職というルートもできている。高校卒業後からぼやぼやしていられない。就職活動が四年間のイベントになっているので早くから将来について考えることが必要。就活状況の変化について高校の先生は知らない。

2学び方を変える

アクティブラーニングがこの三年間で随分増えたのではないか。

参考

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http://manabilab.jp/wp/wp-content/uploads/2015/12/98cd4ab816878aa5430c97cd2629e8292.pngより引用

 

アクティブラーニングの取り組みは定着段階に入っている*2

以前は取り組みの割合が低かった数学と理科に大きな伸びを見せている。この先、アクティブラーニングは常態化していき、死語となっていくのではないか。

人材開発の観点からすれば、Learning is fun!精神

様々な企業の中では企業内大学をつくり、従業員に「学び」を求めている*3

参考過去記事

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なぜ、学ぶことに付き合わなければいけないのか。

理由1仕事人生が長くなるから

理由2変化が激しいから

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

 

日本社会は、世界一、学ばない社会だという調査結果が出ている。

参考:リクルート「社会人の「自主的な学習時間」の実態」*4

大人を変えていかなければいけない。自己学習できるかどうかということは、子ども時代の学びの経験に依存する。リクルートワークスの調査結果によると、学生時代の学び方が大人になっての学び方に繋がっているという傾向がある。

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http://www.works-i.com/pdf/180807_jpsedmanabi.pdfより引用

学生時代に勉強しない人は、大人になってもあまり勉強しない。

3学校ぐるみで取り組む

先生が孤独に頑張らない。持続可能な教育改革。

1.現状の見える化、2,自前の教育改善、3,自前の仕組みで回していく

20年前の思い出 「総合学習の時間」が始まった当初の出来事

個人で頑張る熱心な先生方が次第に疲労感を覚えるようになり、なぜ「同じ熱量」にならないのかという言葉を漏らしてしまっていた。

個人で一人の先生が頑張るという形から、組織で頑張るモードへ移行が必要ではないか。

カリキュラムマネジメントなどは、学校レベルでは進んでいるが、教科レベルではすすんでいない。各先生が個人で勝手に頑張っている状態。

カリキュラムマネジメントがすすめば、アクティブラーニングはすすむ。

それぞれのレベルでそれぞれに「くるくる」とカリマネを回していくことが非常に重要。

自校の教育革新につとめる必要性。

要するに・まとめ

【リアル社会】を生きる子どもに知的武器と働くイメージを与える。キャリアを意識させ、トランジションに備えよ!

【学び方】をアクティブラーニングや探究に!楽しみながら学べる人を!(押し付けられる学びは楽しくない)

【持続可能な教育改革】は学校ぐるみでみんなでカリマネが必要。

感想

中原先生の立場は「文部科学省の話とは無関係」の社会・企業の立場からの話です。基本的には企業の人材開発についての立場からの発想での提案です。だからこそ、「トランジション課題」としてのアクティブラーニングという発想を補強するような観点を教えていただけます。

よく今回のアクティブラーニングについて「新自由主義的なものだ」とか「経済界にとっての都合ばかりだ」というような批判を聞きますが、一面でそれは正しいとしてもそればかりでもないだろうということを感じさせられます。

企業側の人材育成についてのデータを追っていっても、かつてに比べて人材育成が難しくなっているという事実を踏まえると、企業のみの問題ではなく広い意味で「教育」に関わる人たちが、つまり社会と社会の前にある学校とが、お互いに協力・分業しながら、社会の教育のあり方を考えていかなければいけないと感じさせられる。

自分だってあまり経済界の態度は好きではないし、経済界の下請けのために授業をやっているんじゃない。そういう企業のための仕事をするのだったら働きやすい企業の中での人材育成の立場を目指す。

それでも学校の中から何かにこだわるのだとしたら、一方で「社会」のことをきちんと見据えながら、今の自分の授業の可能性を少しずつ広げていかなければいけないと思う。

*1:当方、トリノ五輪やライブドアショックの時期は大学生ですらない。…が、あっという間にこうなると思うと焦る。

*2:個人的にはこのあたりの議論にはかなり疑問がある。過去にも本当にこんなに世の中の学校は「アクティブ」なの?本当にこんなに世の中の学校は「アクティブ」なの?2回目 国語教育はいままでもアクティブ・ラーニングだったかで書いたとおりである。

*3:苅谷剛彦氏が「学び続けることを強要される社会」という旨のことを書いていたのを思い出す。出典が思い出せないので間違っていたらごめんなさい。

*4:当日は、別の国際比較の資料が提示されたのですが、メモをしそこないました……。

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